内藤智文は、東京都調布市生まれのスキージャンプ選手です。山形市役所で働きながら競技を続け、2026年3月のオスロ大会で33歳にしてW杯初優勝を果たしました。同じシーズンにはフライング世界選手権の団体で金メダルも取っています。
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 1993年2月22日 |
| 出身 | 東京都調布市 |
| 出身校 | 北海道・下川商業高校、東海大学 |
| 所属 | 山形市役所(2025年4月から。全日本スキー連盟の名簿では「山形市役所 山と雪の会」) |
| 種目 | スキージャンプ男子 |
| W杯初出場 | 2017-18シーズン、ドイツのヴィリンゲン大会 |
| W杯初優勝 | 2026年3月15日、ノルウェーのオスロ大会(33歳) |
| 自己最長 | 242.5メートル(2026年3月1日、オーストリアのクルム) |
| 五輪 | 出場なし(2026年ミラノ・コルティナ五輪は代表に入れず) |
| 2026-27の立場 | 全日本スキー連盟の強化指定 JP A |
これまでの歩み
内藤智文は東京都調布市で生まれました。1998年の長野五輪で、ジャンプ団体の金メダルを見たことがきっかけになり、3歳上の兄といっしょにジャンプを始めました。首都圏ではジャンプ台が少ないため、北海道の下川商業高校へひとりでスキー留学しました。下川町は、葛西紀明や伊藤有希などを育てたジャンプの町として知られています。
高校のあとは東海大学に進み、札幌で競技を続けました。2015年からは茨城県の古河市スキー協会に所属し、その後、米沢スキージャンプクラブ、山形県スポーツ協会と、所属先を移しながら飛び続けました。決まった所属先がない時期もありましたが、競技をやめることはありませんでした。
国内では2017-18シーズンに、名寄ピヤシリ大会、吉田杯、雪印メグミルク杯全日本大会、宮様スキー大会のノーマルヒルで優勝しました。同じシーズンに、ドイツのヴィリンゲンでW杯に初めて出場しています。ただ、その後しばらくはW杯でポイントを取れない時期が続きました。
2023-24シーズンには、W杯の下の大会であるコンチネンタル杯のオスロ大会で2位に入りました。夏のグランプリでは、フランスのクールシュベル大会で初めてポイントを取り、ルーマニアのラスノフ大会では6位に入りました。W杯の開幕メンバーにも選ばれましたが、ポイントには届きませんでした。
2024-25シーズンは、夏の全日本選手権ノーマルヒルを含め、国内のサマー大会で4勝を挙げました。冬はコンチネンタル杯の中国・張家口大会で優勝し、W杯に上がりました。2025年4月からは山形市役所の職員として働きながら競技を続ける、フルタイムの「公務員ジャンパー」になりました。練習の時間は限られますが、そのなかで一戦ずつ力をつけていきました。
2025-26シーズン 32歳からの大躍進
2025-26シーズンは、内藤にとって競技人生が大きく変わった年でした。12月14日のドイツ・クリンゲンタール大会で6位に入り、W杯で初めて10位以内に入りました。1月の札幌大会では22位と17位で、地元のファンの前でポイントを取りました。
1月にドイツのオーベルストドルフで開かれたフライング世界選手権では、個人戦で19位に入りました。1月25日の団体戦では、小林陵侑、内藤、中村直幹、二階堂蓮の4人で臨み、内藤は2番手を任されました。2回目に222メートルを飛び、同じ組で2番目の得点を挙げました。日本はこの団体戦で優勝し、フライング世界選手権の団体で初めてのメダルを金メダルで飾りました。作山憲斗ヘッドコーチは、中村とともに内藤を優勝の立役者に挙げています。
3月1日、オーストリアのクルムで行われたフライングのW杯では、2回目に242.5メートルの大ジャンプを見せました。それまでの自己最長を20メートル近く伸ばす飛距離で、順位は4位でした。表彰台まであとわずかの成績です。
そして3月15日、ノルウェーのオスロ大会で、W杯初優勝を果たしました。1回目に131.5メートルを飛んで128.7点を挙げ、首位に立ちました。悪天候で2回目が行えず、1回目の成績で順位が決まりました。33歳での初優勝は、W杯の個人戦で優勝したことがある日本の男子17人のなかで、いちばん遅い年齢だと北海道新聞は伝えています。
勢いは止まりませんでした。3月21日、ノルウェーのヴィケルスンで行われたフライングのW杯で2位に入り、2戦続けて表彰台に上りました。3月28日のプラニツァ大会(スロベニア)の男子団体でも、日本の2位に加わりました。W杯の総合順位は21位、401点で、これまでで最も高い順位です。
主な成績
2025-26シーズンのおもな結果
| 日付 | 大会 | 順位 |
|---|---|---|
| 2025年12月14日 | W杯 クリンゲンタール(ドイツ)ラージヒル | 6位 |
| 2026年1月18日 | W杯 札幌大会 ラージヒル | 17位 |
| 2026年1月23日 | フライング世界選手権 個人(オーベルストドルフ) | 19位 |
| 2026年1月25日 | フライング世界選手権 団体 | 優勝(金メダル) |
| 2026年1月31日 | W杯 ヴィリンゲン(ドイツ) | 11位 |
| 2026年3月1日 | W杯 クルム(オーストリア)フライング | 4位 |
| 2026年3月15日 | W杯 オスロ(ノルウェー)ラージヒル | 優勝 |
| 2026年3月21日 | W杯 ヴィケルスン(ノルウェー)フライング | 2位 |
| 2026年3月28日 | W杯 プラニツァ(スロベニア)男子団体 | 2位 |
W杯・グランプリの総合順位
| シーズン | 大会 | 総合順位 |
|---|---|---|
| 2023年夏 | グランプリ | 16位(125点) |
| 2024-25 | コンチネンタル杯 | 13位(428点) |
| 2025-26 | W杯 | 21位(401点) |
| 2026年夏 | グランプリ(第6戦まで) | 37位(34点) |
2026年ミラノ・コルティナ五輪
内藤はミラノ・コルティナ五輪には出場していません。ジャンプ男子で日本が持っていた出場枠は3つでした。全日本スキー連盟が決めた選考の大会がすべて終わった2026年1月18日の時点で、派遣の基準を満たした小林陵侑、二階堂蓮、中村直幹の3人の代表入りが確実になりました。
その直後のフライング世界選手権で団体の金メダルを取り、シーズン終盤にはW杯で優勝と2位を記録しました。五輪には届きませんでしたが、日本の男子で上位を争える一人であることを、結果で示したシーズンでした。
2026年夏の成績
夏のグランプリでは、8月のポーランド・ビスワ大会、フランス・クールシュベル大会、9月のルーマニア・ラスノフ大会に出場しました。ラスノフ大会のノーマルヒルで20位と26位に入り、ポイントを取りました。第6戦を終えた時点のグランプリ総合順位は37位です。
国内では、8月に山形市の蔵王で開かれたサマージャンプ大会に出場し、10位でした。地元・山形のジャンプ台での大会です。冬のシーズンに向けて、飛び方の調子を上げていく時期にあたります。
2026-27シーズンの予定と見どころ
全日本スキー連盟が発表した2026-27シーズンの強化指定で、内藤は男子の「JP A」に入りました。上位の「JP S」の小林陵侑・二階堂蓮に続く位置で、中村直幹・佐藤幸椰・小林朔太郎と同じランクです。W杯は11月20〜22日にノルウェーのリレハンメルで開幕します。おもな予定は次のとおりです。
| 時期 | 大会 | 開催地 |
|---|---|---|
| 10月24・25日 | グランプリ最終戦 | クリンゲンタール(ドイツ) |
| 11月20〜22日 | W杯開幕戦 | リレハンメル(ノルウェー) |
| 12月29日〜1月6日 | ジャンプ週間(4大会) | ドイツ・オーストリア |
| 1月22〜24日 | W杯札幌大会 | 大倉山ジャンプ競技場(札幌市) |
| 2月24日〜3月7日 | ノルディックスキー世界選手権 | ファルン(スウェーデン) |
| 3月13・14日 | W杯オスロ大会 | オスロ(ノルウェー) |
見どころは、昨季の終盤に見せた力を、シーズンの最初から出せるかです。初優勝を挙げたオスロ大会は3月に予定されています。世界選手権の代表に入れるか、フライングの大会で再び表彰台に上れるかにも注目が集まります。
特徴
- 遅咲きの実力者:W杯に初めて出てから9シーズン目に初優勝しました。30代になってから一気に力を伸ばした、めずらしい選手です。
- フライングに強い:フライング世界選手権の団体金、クルム大会4位、ヴィケルスン大会2位と、大きなジャンプ台で結果を残しています。
- 公務員として働きながら競技:山形市役所の職員として働きながら飛んでいます。練習時間に限りがあるなかでの活躍が、多くの人を驚かせました。
- あきらめない姿勢:所属先が何度も変わり、W杯でポイントを取れない時期も長く続きましたが、競技を続けてきました。
よくある質問
内藤智文の所属はどこですか?
山形市役所です。2025年4月から、市の職員として働きながら競技を続けています。
W杯で優勝したことはありますか?
あります。2026年3月15日のオスロ大会で初優勝しました。33歳での初優勝でした。その6日後のヴィケルスン大会でも2位に入っています。
ミラノ・コルティナ五輪には出ましたか?
出ていません。日本の男子の出場枠は3つで、小林陵侑・二階堂蓮・中村直幹が代表になりました。
フライング世界選手権ではどんな成績でしたか?
2026年1月の大会で、個人19位、団体で金メダルを取りました。団体では2番手を任され、2回目に222メートルを飛びました。
ほかの日本の選手
相原史郎・藤澤五月・深田茉莉・長谷川帝勝・平野歩夢・平野流佳・堀川桃香・堀島行真・伊藤有希・葛西優奈・木村葵来・小林陵侑・工藤璃星・倉坪克拓・丸山希・三木つばき・宮田将吾・森重航・村岡桃佳・村瀬心椛・長森遥南・中村直幹・二階堂蓮・野明花菜・荻原大翔・小栗大地・鬼塚雅・小野光希・小野寺佳歩・佐藤幸椰・勢藤優花・清水さら・新濱立也・高梨沙羅・冨田せな・戸塚優斗・谷地宙・山田梨央・山田琉聖・山本涼太・柳本理乃・吉田雪乃・吉永一貴・フォルティウス・ロコ・ソラーレ・SC軽井沢クラブ
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出典
- 全日本スキー連盟 SAJ強化指定選手 2026/2027(ジャンプ)
- FIS 内藤智文の選手ページ(2025-26シーズンの結果)
- FIS W杯ジャンプ男子 2025-26シーズン総合順位(日本)
- FIS グランプリ ジャンプ男子 2026 総合順位(日本)
- 秋田魁新報(共同) W杯ジャンプ、内藤智文が初優勝
- 北海道新聞 33歳内藤W杯初制覇 関係者が祝福
- 北海道新聞 公務員ジャンパー、サマー蔵王大会に挑む 遅咲きの32歳内藤
- 時事通信 日本、層の厚さ示す 中村直幹と内藤智文が立役者―フライング世界選手権
- JOC 小林陵侑ら3人、五輪代表確実に ジャンプ男子
- 内藤智文(ウィキペディア)
- Tomofumi Naito(ウィキペディア英語版)
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。