小林陵侑は、岩手県出身のスキージャンプ選手です。W杯(ワールドカップ)で総合優勝を2回果たし、個人戦で通算37勝を挙げている日本男子のエースです。2022年北京五輪のノーマルヒルで金メダルを取り、2026年ミラノ・コルティナ五輪では混合団体で銅メダルを取りました。
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 1996年11月8日 |
| 出身 | 岩手県松尾村(いまの八幡平市) |
| 出身校 | 盛岡中央高校 |
| 所属 | チームROY(2023年4月から。それまでは土屋ホーム) |
| 身長 | 174センチ |
| 五輪 | 2018年平昌・2022年北京・2026年ミラノ・コルティナの3大会に出場 |
これまでの歩み
小林陵侑は、岩手県の松尾村(いまの八幡平市)で育ちました。盛岡中央高校を卒業した2015年4月に、北海道の土屋ホームに入りました。土屋ホームは、五輪に8大会出場した葛西紀明が選手兼監督をつとめるチームです。
W杯の初出場は、高校を出て1年目の2016年1月です。最初の2シーズンは目立った成績を残せませんでした。2017-18シーズンにW杯総合24位まで上がり、2018年の平昌五輪では個人ノーマルヒルで7位に入りました。
大きく飛躍したのは2018-19シーズンです。2018年11月にフィンランドのルカで初優勝すると、そのシーズンだけで13勝を挙げました。年末年始のジャンプ週間では4戦全勝を果たしました。4戦全勝は、ジャンプ週間の長い歴史の中で3人目という大記録です。この年はW杯の総合優勝も果たしました。ヨーロッパ以外の国の選手が総合優勝したのは、これが初めてでした。
2021-22シーズンには、2022年の北京五輪で個人ノーマルヒルの金メダル、個人ラージヒルの銀メダルを取りました。日本選手が五輪の個人種目でメダルを2つ取ったのは、1998年長野五輪の船木和喜以来でした。このシーズンはW杯で8勝し、2回目の総合優勝も果たしました。
2023年4月には土屋ホームを離れ、プロの選手になりました。自分のチーム「チームROY」を立ち上げ、そこを拠点に世界を転戦しています。2023-24シーズンはジャンプ週間で3回目の総合優勝を果たし、W杯総合2位に入りました。
主な成績
W杯(ワールドカップ)の総合順位と勝利数
| シーズン | 総合順位 | 個人戦の勝利数 |
|---|---|---|
| 2017-18 | 24位 | 0勝 |
| 2018-19 | 1位(総合優勝) | 13勝 |
| 2019-20 | 3位 | 3勝 |
| 2020-21 | 4位 | 3勝 |
| 2021-22 | 1位(総合優勝) | 8勝 |
| 2022-23 | 5位 | 3勝 |
| 2023-24 | 2位 | 2勝 |
| 2024-25 | 9位 | 3勝 |
| 2025-26 | 2位 | 2勝 |
個人戦の勝利は、2025-26シーズンまでで通算37勝です。日本の男子では、いちばん多い勝利数です。ジャンプ週間の総合優勝は3回(2018-19、2021-22、2023-24)です。2019年には、ノルウェーの連戦「ロウ・エア」とスキーフライングの種目別でも優勝しました。
五輪と世界選手権
| 大会 | 主な成績 |
|---|---|
| 2018年平昌五輪 | 個人ノーマルヒル7位、個人ラージヒル10位、団体6位 |
| 2019年世界選手権(ゼーフェルト) | 団体ラージヒル銅メダル、個人ラージヒル4位 |
| 2022年北京五輪 | 個人ノーマルヒル金メダル、個人ラージヒル銀メダル |
| 2023年世界選手権(プラニツァ) | 個人ラージヒル銀メダル |
| 2025年世界選手権(トロンハイム) | 個人ラージヒル銅メダル、個人ノーマルヒル7位 |
| 2026年フライング世界選手権(オーベルストドルフ) | 団体金メダル、個人6位 |
| 2026年ミラノ・コルティナ五輪 | 混合団体銅メダル、個人ラージヒル6位、個人ノーマルヒル8位、スーパーチーム6位 |
2025年の世界選手権の個人ラージヒルは、競技が終わった時点では4位でした。あとで上位の選手がスーツの規定違反で失格になり、3位に繰り上がりました。
2025-26シーズンとフライング世界選手権
2025-26シーズンは、11月のリレハンメル大会(ノルウェー)で優勝して好スタートを切りました。同じ会場で行われたシーズン最初の混合団体でも、丸山希、二階堂蓮、伊藤有希と組んで優勝しています。12月にはスイスのエンゲルベルクで2勝目を挙げました。シーズンの個人戦では優勝2回、2位2回、3位4回の合計8回、表彰台に上りました。1月の札幌大会では2位に入っています。
総合順位は2位でした。優勝はスロベニアのドメン・プレブツで、この選手が圧倒的な強さを見せたシーズンでした。ジャンプ週間は総合5位でした。
2026年1月にドイツのオーベルストドルフで開かれたフライング世界選手権では、団体戦で日本が初めて優勝しました。メンバーは小林陵侑、内藤智文、中村直幹、二階堂蓮の4人です。小林は「メダルは仲間が取らせてくれた」という趣旨の言葉を残しています。
2026年ミラノ・コルティナ五輪
ジャンプはイタリア北部のプレダッツォで行われました。小林は北京大会に続くノーマルヒルの連覇をねらいましたが、8位でした。ラージヒルは6位でした。
2月10日の混合団体では、丸山希、高梨沙羅、二階堂蓮と組んで銅メダルを取りました。日本がこの種目で取った初めてのメダルです。2人1組で行われた男子のスーパーチームは、二階堂蓮と組んで6位でした。
2026-27シーズンの予定と見どころ
この夏、小林は夏のグランプリには出ていません。国内では、8月22日に山形市の蔵王で開かれたサマージャンプ大会で優勝しました。98.5メートルと103メートルを飛び、合計271.3点でした。
W杯は11月20〜22日にノルウェーのリレハンメルで開幕します。前のシーズンに優勝した会場で、好スタートを切れるかが最初の注目点です。主な予定は次のとおりです。
| 時期 | 大会 | 開催地 |
|---|---|---|
| 11月20〜22日 | W杯開幕戦 | リレハンメル(ノルウェー) |
| 12月29日〜1月6日 | ジャンプ週間(4大会) | ドイツ・オーストリア |
| 1月22〜24日 | W杯札幌大会 | 大倉山ジャンプ競技場(札幌市) |
| 2月18〜21日 | W杯フライング大会 | ビケルスン(ノルウェー) |
| 2月25日〜3月7日 | ノルディックスキー世界選手権 | ファルン(スウェーデン) |
| 3月18〜21日 | W杯最終戦 | プラニツァ(スロベニア) |
ジャンプ週間では、4回目の総合優勝がかかります。世界選手権では、これまで手にしていない個人の金メダルがねらいです。W杯の総合優勝を争うには、前のシーズンに大差をつけたドメン・プレブツにどこまで迫れるかがかぎになります。
強さ・ジャンプの特徴
報道では、体の能力の高さと、同じジャンプを何度でもくり返せる力が強みとされています。助走では体の重心を安定させます。踏み切りではジャンプ台にしっかり力を伝えて飛び出します。空中では助走のスピードを落とさず、スキーの裏を斜面に近づけて浮く力を得ます。着地では両手を広げてテレマーク姿勢をきちんと決め、高い飛型点をもらいます。
大きな舞台で結果を立て直す力もあります。2025年の世界選手権は、助走が安定しないシーズンの中で迎えましたが、ラージヒルでメダルを取りました。
大きなジャンプ台を得意とすることでも知られます。2024年4月には、アイスランドで行われた非公式の挑戦で291メートルを飛びました。公式の大会ではないため、FISの記録には数えられていません。公式の自己最長は、2019年3月にプラニツァで飛んだ252メートルです。
本人は、五輪の前に「最大のライバルは自分自身」と語っていました。メダルよりも、会場を沸かせる「ビッグフライト」を見せたいという考えです。自分のスタイルを貫く姿勢は、好きなヒップホップの音楽から学んだと伝えられています。
よくある質問
小林陵侑のW杯の勝利数は?
個人戦で通算37勝です(2025-26シーズン終了時点)。W杯の総合優勝は2018-19と2021-22の2回です。
五輪のメダルはいくつありますか?
3個です。2022年北京大会のノーマルヒルで金、ラージヒルで銀、2026年ミラノ・コルティナ大会の混合団体で銅を取りました。
日本でW杯を見られる大会はありますか?
あります。2027年1月22〜24日に、札幌市の大倉山ジャンプ競技場でW杯が開かれる予定です。前のシーズンの札幌大会で、小林は2位に入っています。
ほかの日本の選手
相原史郎・堀島行真・伊藤有希・葛西優奈・丸山希・三木つばき・宮田将吾・森重航・村岡桃佳・村瀬心椛・中村直幹・二階堂蓮・小栗大地・新濱立也・高梨沙羅・戸塚優斗・山本涼太・吉田雪乃・フォルティウス・ロコ・ソラーレ・SC軽井沢クラブ
スキージャンプの種目・日程・結果は競技のページへ。
出典
- FIS W杯ジャンプ男子 2025-26シーズン総合順位
- 小林陵侑(ウィキペディア)
- Ryōyū Kobayashi(ウィキペディア英語版)
- 2025–26 FIS Ski Jumping World Cup(ウィキペディア英語版)
- nippon.com 再び頂点に狙いを定める「王者」小林陵侑
- 北海道新聞 スタイル貫き金メダル目指す 小林陵、音楽に生き方学ぶ
- 時事通信 日本、層の厚さ示す 中村直幹と内藤智文が立役者―フライング世界選手権
- 熊本日日新聞(共同) フライング世界選手権団体で日本が初優勝
- 熊本日日新聞(共同) 小林陵侑、伊藤有希が優勝 サマージャンプ蔵王大会
- 2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックの日本選手団(ウィキペディア)
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。