木村葵来は、2026年ミラノ・コルティナ五輪のスノーボード男子ビッグエアで金メダルを取った選手です。日本選手団にとってこの大会最初の金メダルで、男子ビッグエアで日本が五輪のメダルを取ったのも初めてでした。横に5回転半する「1980」を左右両方の回り方で決められるのが強みです。
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 木村葵来(きむら・きら) |
| 生年月日 | 2004年6月30日 |
| 出身 | 岡山県岡山市 |
| 所属 | ムラサキスポーツ |
| 種目 | スノーボード・ビッグエア、スロープスタイル |
| 主な実績 | 2026年ミラノ・コルティナ五輪 ビッグエア金メダル、2023-24シーズン W杯ビッグエア年間1位、2026年Xゲームズ ビッグエア3位 |
木村葵来は、大きなジャンプ台から1回だけ跳んで技の難しさと完成度を競う「ビッグエア」を得意とする選手です。岡山市で生まれ育ち、倉敷翠松高校を卒業しました。名前の「葵来(きら)」は、父が好きなアニメ「機動戦士ガンダムSEED」の主人公キラ・ヤマトにちなんでつけられたと伝えられています。
これまでの歩み
体操で身につけた空中の感覚
報道によると、スノーボードを始めたのは4歳ごろで、趣味で滑っていた父の影響でした。子どものころから中学に入るまでは体操も習っていて、いまでも陸上でバク宙ができるほどです。本人は、空中で自分の体がどこを向いているかをつかむ感覚が、体操のおかげで身についたと話しています。
テレビで五輪のトップ選手の滑りを見て刺激を受け、中学生になってから本格的にビッグエアの練習を始めました。中学2年生でプロの資格を取っています。ほかの有力選手と比べると、本格的に競技を始めたのは遅いほうでした。
ジャンプ台のない岡山から
岡山県には、ビッグエアの練習ができるジャンプ台の施設がありません。両親は毎週のように、関西や東海の練習施設まで車で送り迎えをしました。車中で寝泊まりできるよう、ワゴン車を改造して遠征を続けたそうです。金メダルのあと、木村は「この恩返しをしたいです」と両親への感謝を口にしています。
W杯デビュー戦でいきなり表彰台
2023年1月14日、オーストリアのクライシュベルクで開かれたW杯(ワールドカップ)のビッグエアで、国際大会のトップの舞台にデビューしました。この初戦でいきなり3位に入り、世界に名前を知られるようになります。
次の2023-24シーズンは、10月のクール(スイス)で2位、12月の北京で3位と表彰台に上がり、W杯ビッグエアの年間1位に輝きました。2024-25シーズンは足首のけがに苦しみましたが、1月のクライシュベルクで3位に入っています。2025年3月の世界選手権(スイス・エンガディン)は、ビッグエア11位、スロープスタイル27位でした。
五輪シーズンの安定感
五輪シーズンの2025-26年は、W杯で優勝こそありませんでしたが、北京とスティームボート(アメリカ)で2位に入り、ビッグエアの年間2位になりました。ビッグエアの3戦はすべて10位以内です。1月のXゲームズ(アメリカ・アスペン)ではビッグエアで3位に入り、2026年1月に五輪の日本代表に選ばれました。
主な成績
五輪・世界選手権・Xゲームズ
| 年 | 大会 | 種目 | 成績 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 世界選手権(エンガディン) | ビッグエア | 11位 |
| 2025年 | 世界選手権(エンガディン) | スロープスタイル | 27位 |
| 2026年 | Xゲームズ(アスペン) | ビッグエア | 3位 |
| 2026年 | ミラノ・コルティナ五輪 | ビッグエア | 金メダル(179.50点) |
| 2026年 | ミラノ・コルティナ五輪 | スロープスタイル | 14位(予選) |
W杯の表彰台
国際スキー・スノーボード連盟(FIS)の記録では、W杯の表彰台はビッグエアで6回です。
| 日付 | 開催地 | 種目 | 順位 |
|---|---|---|---|
| 2023年1月14日 | クライシュベルク(オーストリア) | ビッグエア | 3位 |
| 2023年10月21日 | クール(スイス) | ビッグエア | 2位 |
| 2023年12月2日 | 北京(中国) | ビッグエア | 3位 |
| 2025年1月11日 | クライシュベルク(オーストリア) | ビッグエア | 3位 |
| 2025年12月6日 | 北京(中国) | ビッグエア | 2位 |
| 2025年12月13日 | スティームボート(アメリカ) | ビッグエア | 2位 |
スロープスタイルでも、2024年9月のカードローナ(ニュージーランド)と2026年1月のスノーマス(アメリカ)で5位に入っています。
2026年ミラノ・コルティナ五輪
男子ビッグエアは、イタリアのリビーニョで行われました。2月5日の予選を3位(173.25点)で通過し、2月7日の決勝に進みます。決勝は3回跳び、種類の違う技2本の合計点で順位が決まります。
1回目、木村は背中側に回る「バックサイド1980」を決めて89.00点を出し、トップに立ちました。2回目は、ふだんと逆の足を前にした姿勢から回る「スイッチバックサイド1980」に挑みましたが、回転が足りず15.00点にとどまり、順位を下げます。この時点では、1980を2本そろえた木俣椋真が首位でした。
最後の3回目、木村はもう一度スイッチバックサイド1980に挑み、今度はきれいに着地しました。得点は決勝でいちばん高い90.50点です。合計179.50点で木俣を逆転し、金メダルを決めました。
| 順位 | 選手 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 木村葵来(日本) | 89.00 | 15.00 | 90.50 | 179.50 |
| 2位 | 木俣椋真(日本) | 86.25 | 85.25 | — | 171.50 |
| 3位 | スー・イーミン(中国) | 88.25 | 73.75 | 80.25 | 168.50 |
| 11位 | 長谷川帝勝(日本) | 71.75 | 16.00 | 28.75 | 100.50 |
| 12位 | 荻原大翔(日本) | 21.00 | — | 13.75 | 34.75 |
日本の金と銀の独占は、前回の北京五輪で金メダルだったスー・イーミンをおさえての結果でした。木村はこの活躍で、2026年に紫綬褒章を受けています。同じ大会のスロープスタイルは予選14位で、決勝には進めませんでした。五輪のあと、2月末の全日本選手権のビッグエアでは2位に入っています。
滑りの特徴
木村の武器は、横に5回転半する「1980」です。ビッグエアの決勝では、回る向きの違う2本の技の合計で争うため、片方の回り方しかできないと高い点が出ません。木村は、背中側に回るバックサイドと、逆の足を前にしたスイッチバックサイドの両方で1980を決められます。五輪の決勝は、まさにこの2本で勝ちました。
体操で身につけた空中の感覚も強みです。回転の多い技でも、着地の前に板の向きを合わせる余裕があります。五輪シーズンのW杯で毎回上位に入ったように、大きく崩れない安定感があり、ここ一番で大技を決めきる勝負強さも見せました。
2026-27シーズンの予定と見どころ
全日本スキー連盟(SAJ)は、今季も木村をスロープスタイル・ビッグエアのいちばん上のSランクの強化選手に選んでいます。同じSランクの男子には、長谷川帝勝と荻原大翔がいます。日本の男子ビッグエアは、国内の争いがそのまま世界一を争う戦いになります。
今季のW杯の日程は、FISのカレンダーでは次のとおりです。日付は開催地の日付です。
| 日程(現地) | 開催地 | 種目 |
|---|---|---|
| 2026年11月26日〜28日 | インスブルック(オーストリア) | ビッグエア |
| 12月3日〜5日 | 北京(中国) | ビッグエア |
| 12月10日〜13日 | ブリッケンリッジ(アメリカ) | スロープスタイル |
| 2027年1月7日〜9日 | クライシュベルク(オーストリア) | ビッグエア |
| 1月13日〜16日 | ラークス(スイス) | スロープスタイル |
| 1月20日〜21日 | ティーニュ(フランス) | ビッグエア |
| 2月25日〜28日 | アスペン(アメリカ) | スロープスタイル |
| 4月1日〜4日 | シルバプラナ(スイス) | スロープスタイル |
いちばんの山場は、2027年3月6日から21日にオーストリアのモンタフォンで開かれる世界選手権です。木村は前回の世界選手権でビッグエア11位に終わっていて、五輪王者として初めての世界一をねらいます。W杯では、2023-24シーズン以来となるビッグエアの年間1位を取り戻せるかも見どころです。どの大会に出るかは、大会ごとのエントリーで決まります。
よくある質問
名前の読み方は?
「きむら・きら」と読みます。
五輪で決めた技は何ですか?
1回目がバックサイド1980、3回目がスイッチバックサイド1980です。どちらも横に5回転半する技です。
今季はいつから試合がありますか?
W杯のビッグエアは、2026年11月26日からのオーストリア・インスブルックで始まります。
ほかの日本の選手
相原史郎・藤澤五月・深田茉莉・長谷川帝勝・平野歩夢・平野流佳・堀川桃香・堀島行真・伊藤有希・葛西優奈・小林陵侑・工藤璃星・倉坪克拓・丸山希・三木つばき・宮田将吾・森重航・村岡桃佳・村瀬心椛・長森遥南・内藤智文・中村直幹・二階堂蓮・野明花菜・荻原大翔・小栗大地・鬼塚雅・小野光希・小野寺佳歩・佐藤幸椰・勢藤優花・清水さら・新濱立也・高梨沙羅・冨田せな・戸塚優斗・谷地宙・山田梨央・山田琉聖・山本涼太・柳本理乃・吉田雪乃・吉永一貴・フォルティウス・ロコ・ソラーレ・SC軽井沢クラブ
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出典
- FIS 選手プロフィール Kira KIMURA
- 木村葵来(ウィキペディア)
- Kira Kimura(Wikipedia 英語版)
- 金メダルの木村葵来とは 岡山出身、名前の由来は父の好きなガンダム(デイリースポーツ)
- 木村葵来の金メダル(KSB瀬戸内海放送)
- ビッグエアで木村葵来が金 木俣は銀(秋田魁新報・共同)
- Snowboarding at the 2026 Winter Olympics – Men's big air(Wikipedia 英語版)
- X Games Aspen 2026 Full Podium Recap(Slush)
- 全日本スキー連盟 SAJ強化指定選手 2026/2027 スロープスタイル/ビッグエア
- FIS カレンダーと結果(スノーボード 2026-27)
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。