長谷川帝勝は、2026年ミラノ・コルティナ五輪のスノーボード男子スロープスタイルで銀メダルを取った選手です。金メダルとの差はわずか0.28点でした。17歳だった2023年には世界選手権のビッグエアで日本選手として初めて優勝していて、2つの種目で世界の上位を争っています。
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 長谷川帝勝(はせがわ・たいが) |
| 生年月日 | 2005年10月23日 |
| 出身 | 愛知県岩倉市 |
| 所属 | TOKIOインカラミ |
| 種目 | スノーボード・スロープスタイル、ビッグエア |
| 主な実績 | 2026年ミラノ・コルティナ五輪 スロープスタイル銀メダル、2023年世界選手権 ビッグエア優勝、2025年世界選手権 ビッグエア銀メダル、2024年Xゲームズ ビッグエア優勝 |
長谷川帝勝は、ジャンプ台や手すりのようなレールが並ぶコースを滑る「スロープスタイル」と、大きなジャンプ台で1回の技を競う「ビッグエア」の両方で戦う選手です。クラーク記念国際高校を卒業しました。名前の「帝勝(たいが)」は、スポーツ好きの父が、ゴルフのタイガー・ウッズや虎にちなんでつけたと伝えられています。
これまでの歩み
美容師の父と二人三脚
スノーボードを教えたのは、美容師の父・俊介さんです。4歳のころから、休みのたびに愛知県の自宅から岐阜県のスキー場へ連れて行ってもらいました。ゆるい斜面は自分で滑らせ、急な斜面では父が抱きかかえて滑ったそうです。最初からこわがらない子どもだったといいます。小学6年から中学1年にかけては、足首や腕のけがで滑れない時期が続きました。
10代の半ばには、すでに世界で注目される存在でした。15歳のとき、4つの回り方すべてで横に5回転する「1800」を決めた初めてのスノーボーダーになったと紹介されています。ジュニア世界選手権では、2021年にビッグエアで優勝し、2023年にはスロープスタイルとビッグエアの2種目で優勝しました。
デビュー前の大けがで北京五輪を逃す
北京五輪のシーズンにあたる2021-22年、W杯(ワールドカップ)に初めて出る予定だったスイスの大会の公式練習で、逆の足を前にした姿勢から横に4回転半する技に挑み、激しく転倒しました。左足首を骨折し、北京五輪には出られませんでした。
このけがが、取り組み方を変えるきっかけになりました。朝5時に起きてストレッチをするなど、けがをしない体づくりを徹底します。滑りの基本の大切さにも気づき、試合や練習のほかにも一人で雪山へ出かけ、わざと荒れた雪の斜面を選んで滑り込んだそうです。報道では「練習の虫」と呼ばれています。
17歳で世界一
2022-23シーズンに飛躍します。2023年1月、オーストリアのクライシュベルクで開かれたW杯ビッグエアで初優勝しました。3月にはジョージアのバクリアニで開かれた世界選手権のビッグエアで177.25点を出して優勝し、日本選手として初めてこの種目の世界一になります。同じ月にはスイス・シルバプラナのW杯スロープスタイルでも勝ちました。
2024年1月のXゲームズ(アメリカ・アスペン)ではビッグエアで優勝しました。逆の足を前にして背中側に5回転半する「スイッチバックサイド1980」を、大会で初めて決めたスノーボーダーとされています。2025年のXゲームズでは、ビッグエアで2位、スロープスタイルで3位でした。2025年3月の世界選手権(スイス・エンガディン)では、ビッグエアで銀メダルを取っています。
主な成績
五輪・世界選手権・Xゲームズ
| 年 | 大会 | ビッグエア | スロープスタイル |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 世界選手権(バクリアニ) | 金メダル | 6位 |
| 2024年 | Xゲームズ(アスペン) | 優勝 | — |
| 2025年 | Xゲームズ(アスペン) | 2位 | 3位 |
| 2025年 | 世界選手権(エンガディン) | 銀メダル | 13位 |
| 2026年 | ミラノ・コルティナ五輪 | 11位 | 銀メダル(82.13点) |
W杯の優勝
国際スキー・スノーボード連盟(FIS)の記録では、W杯の優勝は5回(ビッグエア4回、スロープスタイル1回)です。
| 日付 | 開催地 | 種目 |
|---|---|---|
| 2023年1月14日 | クライシュベルク(オーストリア) | ビッグエア |
| 2023年3月26日 | シルバプラナ(スイス) | スロープスタイル |
| 2023年12月9日 | エドモントン(カナダ) | ビッグエア |
| 2024年10月19日 | クール(スイス) | ビッグエア |
| 2025年1月5日 | クラーゲンフルト(オーストリア) | ビッグエア |
このほか、2位が3回(2024年3月シルバプラナのスロープスタイル、2025年1月クライシュベルクと2月アスペンのビッグエア)、3位が1回(2024年3月ティーニュのスロープスタイル)あります。2025年1月のクライシュベルクでは、後ろ向きから回る「キャブ1800」と体の正面側に回る「フロントサイド1800」を決めて180.25点を出しましたが、優勝に2.25点届きませんでした。
2026年ミラノ・コルティナ五輪
ビッグエアは11位
最初の種目は、2月7日にイタリアのリビーニョで行われた男子ビッグエアでした。予選は5位(172.25点)で通過しましたが、決勝では大技の着地がそろわず、合計100.50点の11位に終わります。同じ日本の木村葵来が金、木俣椋真が銀を取る中での悔しい結果でした。
スロープスタイルで銀メダル
男子スロープスタイルは、2月15日に予選、18日に決勝が行われました。予選は9位(72.03点)でぎりぎり決勝に進みます。決勝は3回滑り、いちばん高い得点で順位が決まります。
長谷川は1回目で82.13点を出しました。報道によると、ジャンプのセクションで後ろ向きから4回転する「キャブ1440」や、斜めに回る「ロデオ1260」を決めています。2回目と3回目は得点を伸ばせませんでしたが、この1回目の得点で2位を守りました。
| 順位 | 選手 | 得点 |
|---|---|---|
| 1位 | スー・イーミン(中国) | 82.41点 |
| 2位 | 長谷川帝勝(日本) | 82.13点 |
| 3位 | ジェイク・カンター(アメリカ) | 79.36点 |
| 4位 | マーカス・クリーブランド(ノルウェー) | 78.96点 |
| 11位 | 木俣椋真(日本) | 72.80点 |
男子スロープスタイルで日本選手が五輪の表彰台に上がったのは初めてです。金メダルとの差は0.28点でした。会場で見守った父の俊介さんは「かっこいい姿を見せてくれた。メダルを取れると信じていた」と話しています。尊敬するソチ五輪王者のセージ・コッツェンバーグ(アメリカ)からは、以前「次の時代を引っ張るのはおまえだ」と声をかけられていたそうです。
滑りの特徴
長谷川の強みは、回転の向きを選ばないことです。背中側、体の正面側、後ろ向きから、逆の足を前にした姿勢からの4つの回り方すべてで大きな回転の技を持っています。ビッグエアでは種類の違う2本の技で点を競うため、どの向きでも高い回転を決められることが大きな武器になります。
スロープスタイルでは、レールでの細かな技と、ジャンプでの大技を1本の中でつなげる力が問われます。長谷川はW杯のスロープスタイルで優勝と表彰台を重ねていて、ビッグエアだけの選手ではありません。五輪では、ビッグエアの悔しさをわずか11日後のスロープスタイルで晴らしました。
2026-27シーズンの予定と見どころ
全日本スキー連盟(SAJ)は、今季も長谷川をスロープスタイル・ビッグエアのいちばん上のSランクの強化選手に選んでいます。同じSランクの男子には、五輪金メダルの木村葵来と、Xゲームズのビッグエアを2連覇した荻原大翔がいます。
今季のW杯の日程は、FISのカレンダーでは次のとおりです。日付は開催地の日付です。
| 日程(現地) | 開催地 | 種目 |
|---|---|---|
| 2026年11月26日〜28日 | インスブルック(オーストリア) | ビッグエア |
| 12月3日〜5日 | 北京(中国) | ビッグエア |
| 12月10日〜13日 | ブリッケンリッジ(アメリカ) | スロープスタイル |
| 2027年1月7日〜9日 | クライシュベルク(オーストリア) | ビッグエア |
| 1月13日〜16日 | ラークス(スイス) | スロープスタイル |
| 1月20日〜21日 | ティーニュ(フランス) | ビッグエア |
| 2月25日〜28日 | アスペン(アメリカ) | スロープスタイル |
| 4月1日〜4日 | シルバプラナ(スイス) | スロープスタイル |
いちばんの山場は、2027年3月6日から21日にオーストリアのモンタフォンで開かれる世界選手権です。長谷川はビッグエアで2023年に金、2025年に銀を取っていて、3大会続けてのメダルと2度目の世界一がかかります。五輪で0.28点差に泣いたスロープスタイルで、初めての世界一をねらえるかも見どころです。どの大会に出るかは、大会ごとのエントリーで決まります。
よくある質問
名前の読み方は?
「はせがわ・たいが」と読みます。
北京五輪に出なかったのはなぜですか?
2021-22シーズンの初めに、W杯の公式練習で左足首を骨折したためです。
五輪のメダルはいくつですか?
2026年ミラノ・コルティナ大会のスロープスタイル銀メダルの1個です。
ほかの日本の選手
相原史郎・藤澤五月・深田茉莉・平野歩夢・平野流佳・堀川桃香・堀島行真・伊藤有希・葛西優奈・木村葵来・小林陵侑・工藤璃星・倉坪克拓・丸山希・三木つばき・宮田将吾・森重航・村岡桃佳・村瀬心椛・長森遥南・内藤智文・中村直幹・二階堂蓮・野明花菜・荻原大翔・小栗大地・鬼塚雅・小野光希・小野寺佳歩・佐藤幸椰・勢藤優花・清水さら・新濱立也・高梨沙羅・冨田せな・戸塚優斗・谷地宙・山田梨央・山田琉聖・山本涼太・柳本理乃・吉田雪乃・吉永一貴・フォルティウス・ロコ・ソラーレ・SC軽井沢クラブ
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出典
- FIS 選手プロフィール Taiga HASEGAWA
- 長谷川帝勝(ウィキペディア)
- Taiga Hasegawa(Wikipedia 英語版)
- 「練習の虫」長谷川、4年で飛躍 原点は苦い“デビュー戦”(秋田魁新報・共同)
- 美容師の父と二人三脚、滑り磨く ビッグエア11位から雪辱(秋田魁新報・共同)
- スノボ、20歳長谷川帝勝「銀」 スロープスタイルで初の表彰台(北海道新聞)
- FISビッグエア・ワールドカップ クライシュベルグ(スポーツナビ)
- Snowboarding at the 2026 Winter Olympics – Men's slopestyle(Wikipedia 英語版)
- 全日本スキー連盟 SAJ強化指定選手 2026/2027 スロープスタイル/ビッグエア
- FIS カレンダーと結果(スノーボード 2026-27)
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。