深田茉莉は、2026年ミラノ・コルティナ五輪のスノーボード女子スロープスタイルで金メダルを取った選手です。この種目で日本選手が金メダルを取ったのは初めてで、19歳48日での優勝は冬季五輪の日本女子で最年少の金メダルと報じられています。ビッグエアでもW杯で優勝を重ねています。
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 深田茉莉(ふかだ・まり) |
| 生年月日 | 2007年1月1日 |
| 出身 | 愛知県みよし市 |
| 所属 | トヨタ自動車(五輪のときはYAMAZEN) |
| 種目 | スノーボード・スロープスタイル、ビッグエア |
| 主な実績 | 2026年ミラノ・コルティナ五輪 スロープスタイル金メダル、2025年世界選手権 ビッグエア銅メダル、W杯優勝4回 |
深田茉莉は、ジャンプ台や手すりのようなレールが並ぶコースを滑る「スロープスタイル」と、大きなジャンプ台で1回の技を競う「ビッグエア」の両方で戦う選手です。みよし市立北部小学校、椙山女学園中学校をへて、S高校を卒業しました。五輪のあと、所属はYAMAZENからトヨタ自動車に移っています。
これまでの歩み
13歳で本格的に競技へ
本格的に競技を始めたのは、中学校に入ってからの13歳ごろです。世界のトップ選手の多くが幼いころから大会に出ているのと比べると、遅いスタートでした。中学2年生のときにプロスノーボーダーの佐藤康弘さんと出会い、埼玉県嵐山町を拠点に練習するようになりました。
兄が支えた埼玉での暮らし
深田を支えたのは、兄の渚さんです。兄も高校卒業まで競技を続けていましたが、東京の大学に進むのをきっかけに引退し、妹の練習拠点の埼玉で一緒に暮らし始めました。片道2時間半かけて大学に通いながら、週末は妹が通う練習施設でアルバイトをし、家事や練習の送り迎えも引き受けてきたと報じられています。料理はほとんどしたことがなかったそうですが、栄養のかたよりがないよう、同じ献立が続かないように工夫したといいます。
15歳でW杯初出場、初優勝
2022年12月17日、アメリカのコッパーマウンテンで開かれたW杯(ワールドカップ)のビッグエアに初めて出場し、いきなり優勝しました。15歳でのことです。2023年3月には初めての世界選手権(ジョージア・バクリアニ)に出て、スロープスタイル5位、ビッグエア8位でした。
2023-24シーズンはW杯ビッグエアで2位に入り、年間順位でもビッグエア2位になります。2024-25シーズンは10月のクール(スイス)のビッグエアで優勝し、北京とクラーゲンフルト(オーストリア)でも2位に入りました。2025年2月22日にはカナダのカルガリーでスロープスタイルのW杯に初めて優勝し、2つの種目で勝てる選手になります。この季はビッグエアで再び年間2位でした。2025年3月の世界選手権(スイス・エンガディン)では、ビッグエアで銅メダル、スロープスタイルで4位に入りました。
主な成績
五輪・世界選手権
| 年 | 大会 | スロープスタイル | ビッグエア |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 世界選手権(バクリアニ) | 5位 | 8位 |
| 2025年 | 世界選手権(エンガディン) | 4位 | 銅メダル |
| 2026年 | ミラノ・コルティナ五輪 | 金メダル(87.83点) | 9位 |
W杯の表彰台
国際スキー・スノーボード連盟(FIS)の記録では、W杯の優勝は4回(ビッグエア3回、スロープスタイル1回)、表彰台は9回です。
| 日付 | 開催地 | 種目 | 順位 |
|---|---|---|---|
| 2022年12月17日 | コッパーマウンテン(アメリカ) | ビッグエア | 1位 |
| 2023年12月15日 | コッパーマウンテン(アメリカ) | ビッグエア | 2位 |
| 2024年10月19日 | クール(スイス) | ビッグエア | 1位 |
| 2024年12月1日 | 北京(中国) | ビッグエア | 2位 |
| 2025年1月5日 | クラーゲンフルト(オーストリア) | ビッグエア | 2位 |
| 2025年2月22日 | カルガリー(カナダ) | スロープスタイル | 1位 |
| 2025年3月14日 | フラッハウ(オーストリア) | スロープスタイル | 3位 |
| 2025年11月29日 | 崇礼(シークレットガーデン・中国) | ビッグエア | 1位 |
| 2026年1月10日 | スノーマス(アメリカ) | スロープスタイル | 2位 |
2026年ミラノ・コルティナ五輪
ビッグエアは9位
最初の種目は、イタリアのリビーニョで行われた女子ビッグエアでした。予選を5位で通過しましたが、2月9日の決勝は9位でした。この種目では村瀬心椛が金メダルを取っています。
スロープスタイルで逆転の金メダル
女子スロープスタイルは2月15日に予選が行われ、深田は7位(71.03点)で決勝に進みました。決勝はもともと17日の予定でしたが、大雪のため18日に延びました。決勝は3回滑り、いちばん高い得点で順位が決まります。
1回目は、ジャンプのセクションの最初で着地に失敗して転倒し、33.98点でした。2回目は体の正面側に2回転する「フロントサイド720」などを決めて85.70点を出し、トップに立ちます。最後の3回目は技の精度をさらに上げ、逆の足を前にした姿勢から背中側に3回転半する「スイッチバックサイド1260」を決めて87.83点まで伸ばしました。ゾイ・サドフスキシノット(ニュージーランド)も3回目に87.48点を出しましたが、0.35点届かず、深田の金メダルが決まりました。
| 順位 | 選手 | 得点 |
|---|---|---|
| 1位 | 深田茉莉(日本) | 87.83点 |
| 2位 | ゾイ・サドフスキシノット(ニュージーランド) | 87.48点 |
| 3位 | 村瀬心椛(日本) | 85.80点 |
| 4位 | アニカ・モーガン(ドイツ) | 78.78点 |
| 8位 | 岩渕麗楽(日本) | 52.11点 |
初めての五輪での金メダルでした。19歳48日での金メダルは、冬季五輪の日本女子で最年少です。男子を含めても、19歳35日で金メダルを取ったスピードスケート・ショートトラックの西谷岳文に次ぐ2番目の若さと報じられています。深田は試合後、五輪にはほかの大会と違う重圧と「4年に1度の特別感」があったと振り返りました。支えてきた兄や周りの人たちには「本当に感謝しかない」と話しています。2026年には紫綬褒章を受け、京都府からは府スポーツ賞の特別栄誉賞が贈られました。
滑りの特徴
深田の強みは、技の正確さと、追いこまれてから点を伸ばす勝負強さです。五輪の決勝では、1回目に転倒したあとの2回目と3回目で、続けて85点を超える滑りをそろえました。スロープスタイルでは、レールの技、ジャンプの大技、そのつなぎがすべて見られるため、一つのミスで大きく点が下がります。最後まで崩れない安定感が、0.35点の差につながりました。
もう一つの強みは、ビッグエアの大きなジャンプにも強いことです。W杯の優勝4回のうち3回はビッグエアで、年間順位でも2位に2度入っています。大きなジャンプで回転の多い技を決める力が、スロープスタイルのジャンプのセクションでも生きています。FISのポイントの順位表では、スロープスタイルで世界1位にいます。
2026-27シーズンの予定と見どころ
全日本スキー連盟(SAJ)は、今季も深田をスロープスタイル・ビッグエアのいちばん上のSランクの強化選手に選んでいます。所属はトヨタ自動車スキー部です。同じSランクの女子には、五輪のビッグエア金メダルの村瀬心椛や、鬼塚雅がいます。
今季のW杯の日程は、FISのカレンダーでは次のとおりです。日付は開催地の日付です。
| 日程(現地) | 開催地 | 種目 |
|---|---|---|
| 2026年11月26日〜28日 | インスブルック(オーストリア) | ビッグエア |
| 12月3日〜5日 | 北京(中国) | ビッグエア |
| 12月10日〜13日 | ブリッケンリッジ(アメリカ) | スロープスタイル |
| 2027年1月7日〜9日 | クライシュベルク(オーストリア) | ビッグエア |
| 1月13日〜16日 | ラークス(スイス) | スロープスタイル |
| 1月20日〜21日 | ティーニュ(フランス) | ビッグエア |
| 2月25日〜28日 | アスペン(アメリカ) | スロープスタイル |
| 4月1日〜4日 | シルバプラナ(スイス) | スロープスタイル |
いちばんの山場は、2027年3月6日から21日にオーストリアのモンタフォンで開かれる世界選手権です。深田は前回、ビッグエアで銅メダル、スロープスタイルで4位でした。五輪王者として、世界選手権で初めての金メダルをねらいます。村瀬心椛との日本選手どうしの争いにも注目です。どの大会に出るかは、大会ごとのエントリーで決まります。
よくある質問
名前の読み方は?
「ふかだ・まり」と読みます。
いまの所属はどこですか?
トヨタ自動車です。五輪のときはYAMAZENの所属でした。
五輪で決めた技は何ですか?
3回目に、逆の足を前にして背中側に3回転半するスイッチバックサイド1260を決めて87.83点を出しました。
ほかの日本の選手
相原史郎・藤澤五月・長谷川帝勝・平野歩夢・平野流佳・堀川桃香・堀島行真・伊藤有希・葛西優奈・木村葵来・小林陵侑・工藤璃星・倉坪克拓・丸山希・三木つばき・宮田将吾・森重航・村岡桃佳・村瀬心椛・長森遥南・内藤智文・中村直幹・二階堂蓮・野明花菜・荻原大翔・小栗大地・鬼塚雅・小野光希・小野寺佳歩・佐藤幸椰・勢藤優花・清水さら・新濱立也・高梨沙羅・冨田せな・戸塚優斗・谷地宙・山田梨央・山田琉聖・山本涼太・柳本理乃・吉田雪乃・吉永一貴・フォルティウス・ロコ・ソラーレ・SC軽井沢クラブ
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出典
- FIS 選手プロフィール Mari FUKADA
- 深田茉莉(ウィキペディア)
- Mari Fukada(Wikipedia 英語版)
- 19歳の深田茉莉が涙の金メダル スノボ女子スロープスタイル決勝(デイリースポーツ)
- 深田に夢託し、裏方に徹した兄 かつて競技者「報われた」(秋田魁新報・共同)
- スノボ19歳深田茉莉「金」 冬季五輪の日本女子最年少(秋田魁新報・共同)
- 京都府スポーツ賞 特別栄誉賞の授与について(京都府)
- Snowboarding at the 2026 Winter Olympics – Women's slopestyle(Wikipedia 英語版)
- 全日本スキー連盟 SAJ強化指定選手 2026/2027 スロープスタイル/ビッグエア
- FIS カレンダーと結果(スノーボード 2026-27)
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。