パラクロスカントリースキーとは?種目・ルールと2026-27シーズンの大会日程・結果

PARA CROSS-COUNTRY SKIING

パラクロスカントリースキー

2026年 冬季パラリンピックの競技

パラクロスカントリースキー(英語:Para cross-country skiing)は、スキー・スノーボードに分類される冬の競技です。主な種目はスプリント、距離競走、混合リレー、オープンリレー。試合の形式はインターバル、パシュート、パラマススタート、チームスプリント(大会別)があります。

距離・走法・競技クラスを別軸で管理する。

パラクロスカントリースキーはどんな競技か

パラクロスカントリースキーは、体や目に障害のある選手が、上り坂・下り坂・平地のあるコースをスキーで走り、タイムを競う競技です。「雪上のマラソン」とも呼ばれる、持久力の勝負です。

冬季パラリンピックでは、1976年のエーンシェルツビーク大会(スウェーデン)から行われている、最も古い競技の1つです。選手は「立位」「座位」「視覚障害」の3つのカテゴリーに分かれて競います。いまは国際スキー・スノーボード連盟(FIS)が国際大会を運営しています。同じ選手がライフル射撃を組み合わせた「パラバイアスロン」にも出ることが多く、2つを合わせて「パラノルディックスキー」と呼びます。

種目とルール

2026年のミラノ・コルティナ大会では、男女それぞれスプリント・10km・20kmの3種目をカテゴリーごとに行い、さらにリレー2種目を加えて、合わせて20の金メダルがありました。

種目 どんな種目か
スプリント 短い距離を走る。予選の後、数人ずつで競う準決勝・決勝を行う
10km 立位・視覚障害はクラシカル走法で走る
20km 立位・視覚障害はフリー走法の長い距離。持久力が問われる
リレー 4人で2.5kmずつつなぐ。カテゴリーの違う選手が1チームになって走る(オープンと混合の2種目)

走り方には2つあります。「クラシカル」は、雪に掘られた2本の溝(シュプール)に沿って、スキーを前後に動かして進む走り方です。「フリー」は、スケートのようにスキーを斜めに蹴り出して進む走り方で、クラシカルより速く進めます。座位の選手は、座ったまま両腕のストックで雪を押して進むので、走り方の区別はありません。

クラス分け

選手は、障害の種類と重さによってクラスに分けられます。クラスの記号のLWは、英語で「冬の運動機能の障害」を表す言葉の頭文字です。

カテゴリー クラス どんな選手か(目安)
立位 LW2 片脚のひざから上に障害がある。スキー2本とストック2本で走る。義足を使える
立位 LW3 両脚に障害がある
立位 LW4 片脚のひざから下に障害がある
立位 LW5/7 両腕に障害がある。ストックを持たずに走る
立位 LW6 片腕のひじから上に障害がある。ストックは1本
立位 LW8 片腕のひじから下に障害がある。ストックは1本
立位 LW9 腕と脚の両方に障害がある
座位 LW10・LW10.5 体幹と脚に障害がある。腕の力で「シットスキー」を進める
座位 LW11・LW11.5・LW12 脚に障害があるが、体幹がある程度使える。体幹の力も使ってストックを押す
視覚障害 NS1 全く見えない、または光が分かる程度。目を覆うゴーグルを付け、前を走るガイドの声に従って走る
視覚障害 NS2 とても見えにくい。ガイドと走るかを選べる
視覚障害 NS3 見えにくい(視力や見える範囲に障害)。ガイドと走るかを選べる

視覚障害のクラスは、2024年7月に新しい区分に変わり、以前のB1〜B3から、NS1〜NS3という名前になりました。NSはノルディックスキーの意味です。LW2〜LW4の選手は、立位か座位のどちらか一方を選んで出場します。

計算タイム(係数)のしくみ

同じカテゴリーの中にも、障害の重さが違う選手がいます。そこで、クラスごとに決められた「係数」(パーセンテージ)を、実際に走ったタイムにかけて「計算タイム」を出し、これで順位を決めます。障害が重いクラスほど係数が小さく、タイムが短く計算されます。

たとえば、仮の数字で考えてみます。係数100%のクラスの選手Aが100秒、係数85%のクラスの選手Bが115秒で走ったとします。Aの計算タイムは100秒、Bは115×0.85=97.75秒です。実際のゴールはAのほうが速くても、順位はBが上になります。

そのため、中継の画面では「実際のタイム」と「計算タイム」が並んで出ることがあります。順位を決めるのは計算タイムのほうです。係数は、大会の結果のデータをもとに、国際競技団体が定期的に見直しています。

見どころ・観戦のポイント

上り坂の苦しさ

勝負を分けるのは、上り坂です。片腕でストックを使う選手、ストックを持たない選手、座ったまま腕だけで上る選手が、それぞれの方法で坂を上ります。息を切らしながら上る姿は、この競技の最大の見どころです。

ガイドとの二人三脚

視覚障害のクラスでは、ガイドが選手のすぐ前を走り、「右カーブ」「下り」などと声で伝えます。ガイドも選手と同じくらいの速さで走れる力が必要です。

リレーのチーム編成

リレーは、立位・座位・視覚障害の選手が1つのチームで走ります。国ごとの選手層の厚さが分かる種目です。

日本の主な選手

川除大輝(日立ソリューションズ)は、立位の男子のエースです。両腕に障害がある選手のクラスLW5/7で、ストックを持たずに走ります。2022年の北京大会では、男子20kmクラシカル立位で金メダルを取りました。

新田佳浩(日立ソリューションズ)は、1998年の長野大会から出場を続ける大ベテランです。2010年バンクーバー大会では2つの金メダル、2018年平昌大会でも金メダルを取りました。女子では阿部友里香(日立ソリューションズ)が立位で長く代表を務めています。ほかに佐藤圭一、岩本啓吾、出来島桃子、岩本美歌、視覚障害の松土琴葉、座位の源貴晴・森宏明らが、2026年の代表に入りました。

2026年ミラノ・コルティナ・パラリンピックの結果

クロスカントリースキーは、イタリアのテーゼロ(ヴァル・ディ・フィエンメ)で行われました。日本はこの競技でメダルに届きませんでしたが、入賞が続きました。3月11日の10kmクラシカルの日本選手の結果は次のとおりです。

カテゴリー 選手 順位
男子立位 川除大輝 4位
男子立位 新田佳浩 7位
男子立位 岩本啓吾 19位
女子立位 阿部友里香 4位
女子立位 岩本美歌 7位
女子立位 出来島桃子 9位
女子視覚障害 松土琴葉 10位
男子座位 源貴晴 18位
男子座位 森宏明 22位

川除と阿部は、いずれもメダルまであと1つの4位でした。北京大会に続く連覇を目指した川除にとっては、悔しい結果になりました。

2026-27シーズンの見どころ

FISパラクロスカントリースキーのワールドカップは、12月にフィンランドのヴォカッティで始まります。1月にポーランドのシュクラルスカ・ポレンバ、2月にイタリアのトブラッハ、3月にノルウェーのベイトストーレンと続きます。

日本では、まだ若い川除が次の2030年大会に向けてどう巻き返すか、そして新田・阿部らベテランの今後に注目が集まります。視覚障害や座位の若い選手が、ワールドカップで経験を積めるかも見どころです。

よくある質問

Q. パラバイアスロンとの違いは?

A. パラバイアスロンは、クロスカントリーの途中に射撃を行う競技です。視覚障害の選手は、音で的の中心が分かる特別な銃を使います。

Q. 座位の選手はどうやって進むのですか?

A. スキーの付いた座席(シットスキー)に座り、両腕のストックで雪を押して進みます。上り坂も腕の力だけで上ります。

Q. 順位は実際のゴールの順番ですか?

A. クラスの係数をかけた計算タイムで順位が決まります。そのため、ゴールの順番と順位が違うことがあります。

Q. ガイドはどんな人がなりますか?

A. 選手と同じくらいの速さで走れるスキーの経験者がなります。日本でも、元選手などがガイドを務めています。

解説の出典

パラクロスカントリースキーのこれからの大会

日程(現地) 大会 開催地 案内
12月15日(火)〜18日(金) FIS パラクロスカントリースキー ワールドカップ
男女
ブオカッティ(フィンランド) 公式の案内
1月7日(木)〜10日(日) FIS パラクロスカントリースキー ワールドカップ
男女
シクラルスカ・ポレンバ(ヤクシツェ)(ポーランド) 公式の案内
1月27日(水)〜31日(日) FIS パラクロスカントリースキー 世界選手権
男女
フィンスタウ(ドイツ) 公式の案内
2月17日(水)〜21日(日) FIS パラクロスカントリースキー ワールドカップ
男女
トブラッハ(イタリア) 公式の案内
3月2日(火)〜6日(土) FIS パラクロスカントリースキー ワールドカップ
男女
ベイトストーレン(ノルウェー) 公式の案内

パラクロスカントリースキーの最近の結果

日付(現地) 大会 上位(表彰台) 出典
2月1日(日) FIS パラクロスカントリースキー W杯 男子 10kmマススタート クラシカル 座位 1位 ジュゼッペ・ロメレ(イタリア)
2位 パブロ・バル(ウクライナ)
3位 ジョシュア・スウィーニー(米国)
公式結果
2月1日(日) FIS パラクロスカントリースキー W杯 男子 10kmマススタート クラシカル 立位 1位 セバスティアン・マールブルガー(ドイツ)
2位 ビトルト・スクピエン(ポーランド)
3位 マクシミリアン・ワイドナー(ドイツ)
公式結果
2月1日(日) FIS パラクロスカントリースキー W杯 女子 10kmマススタート クラシカル 立位 1位 シドニー・ピーターソン(米国)
2位 カトリン・マルシャン(ドイツ)
3位 ダニエル・アラビッチ(米国)
公式結果

スキー・スノーボードのほかの競技

アルペンスキー・クロスカントリースキー・スキージャンプ・ノルディック複合・フリースタイルスキー/フリースキー・スノーボード・山岳スキー(スキーモ)・テレマークスキー・スピードスキー・フリーライド(スキー・スノーボード)・スキー技術選・基礎スキー競技・スキーボブ・スノースクート・パラアルペンスキー・パラスノーボード・スノースケート・スノーモト・モノスキー(一般・立位)・スノーボード技術選・スキーバイク(協会別の形式)・スコール/スクワル

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出典

競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。

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