2026年 冬季五輪の競技
クロスカントリースキー(英語:Cross-country skiing)は、スキー・スノーボードに分類される冬の競技です。主な種目はディスタンス、スプリント、チームスプリント、スキーアスロン、リレー。試合の形式はインターバルスタート、マススタート、パシュート、ステージレース、長距離・マラソン大会があります。
走法・出発方式・距離を独立競技として増やさない。長距離大会の全ての距離は固定列挙しない。
クロスカントリースキーはどんな競技か
クロスカントリースキーは、雪の上の長いコースをスキーで走り、速さを競う競技です。日本の新聞やテレビでは「スキー距離」とも呼ばれます。上り坂、下り坂、平らな道がまじったコースを、自分の力だけで進みます。
もともとは、北ヨーロッパの雪国で人が移動するための手段でした。それが競技になり、いまもノルウェーやスウェーデン、フィンランドで大人気です。冬季五輪では、第1回の1924年シャモニー大会から続く、もっとも古い競技のひとつです。
体への負担がとても大きい競技としても知られています。腕と脚の両方を使い、長い時間、全身で走り続けるからです。「雪上のマラソン」と言われることもあります。
2つの走り方 クラシカルとフリー
クロスカントリーには、大きく分けて2つの走り方(走法)があります。レースごとに、どちらで走るかが決まっています。
| 走法 | どんな走り方か | 見分け方 |
|---|---|---|
| クラシカル | 雪に掘った2本のみぞ(シュプール)に沿って、板を前後に動かして進む。歩く動きに近い。 | 板が平行のまま、まっすぐ前後に動く。 |
| フリー | スケートのように、板を斜め外側にけり出して進む。スケーティングとも呼ぶ。クラシカルより速い。 | 板がハの字に開く。ストック(杖)が長い。 |
クラシカルでは、板の裏の真ん中に、雪をつかむためのワックスを塗ります。こうすると、けったときに後ろへ滑らず、前に進めます。どのワックスを選ぶかは、気温や雪の状態で大きく変わります。チームの「ワックス係」の腕も、勝負を左右します。
種目とルールのくわしい説明
| 種目 | どんなレースか |
|---|---|
| 個人(インターバルスタート) | 選手が30秒ごとなどの間隔で1人ずつスタートする。ゴールまでのタイムで順位を決める。 |
| マススタート | 全員がいっせいにスタートする。先にゴールした人が勝ち。 |
| スキーアスロン | 前半をクラシカル、後半をフリーで走る。途中で板をはきかえる。 |
| スプリント | 短いコースを走る。予選のタイム上位が、6人ずつの組で準々決勝、準決勝、決勝と勝ち抜く。 |
| チームスプリント | 2人1組で、短いコースを交互に何回も走る。 |
| リレー | 4人でつなぐ。前の2人がクラシカル、後ろの2人がフリーで走る。 |
2026年の五輪では、男女6種目ずつ、合わせて12種目が行われました。この大会で大きく変わったのは距離です。女子の長距離は、前の大会まで30キロでした。それが男子と同じ50キロになりました。リレーも男女とも1人7.5キロにそろえられました。
順位の決まり方
個人のインターバルスタートでは、ゴールのタイムだけで順位が決まります。前を走る人が、必ずしも勝っているわけではありません。途中のタイム差を見て、だれが速いかを判断します。
マススタートやスプリント、リレーでは、先にゴールラインを越えた人が勝ちです。ゴール前のせり合いでは、足を前に突き出して、板の先でゴールを争います。差がほとんどないときは、写真判定で決まります。
見どころ・観戦のポイント
集団の中のかけ引き
マススタートやスキーアスロンでは、集団で走る時間が長くなります。前の選手の後ろにつくと、風よけになって体力を温存できます。だれがいつ前に出るか。そのかけ引きが見どころです。
上り坂でのスパート
レースが大きく動くのは、たいてい急な上り坂です。強い選手は、上り坂で一気にペースを上げて、ほかの選手を引き離します。ゴール前の最後の上り坂は、特に注目です。
スプリントの勝ち抜き戦
スプリントは数分で終わる短いレースです。6人が並んでスタートし、上位だけが次に進みます。ぶつかり合いや転倒もあり、初めて見る人にも分かりやすい種目です。
スキーアスロンの板のはきかえ
スキーアスロンでは、前半と後半の間に板とストックを取りかえます。この作業は数十秒で行います。ここでの速さも、順位に関わります。
用具とコース・会場
板は、アルペンスキーよりずっと細くて軽いです。靴はかかとが板から離れるようになっています。これで歩くように、またはけるように進めます。クラシカル用とフリー用では、板の長さや固さ、ストックの長さがちがいます。
2026年の五輪の会場は、イタリア北部のバルディフィエンメ地方にあるテーゼロでした。日本では、2007年に札幌市でノルディックスキー世界選手権が開かれ、クロスカントリーのレースも行われました。
日本の主な選手
クロスカントリーは、北欧の国が圧倒的に強い競技です。日本の選手は、世界の上位をめざして戦っています。2026年の五輪には、男子の馬場直人選手(中野土建)、廣瀬崚選手(T・A・C)、山崎大翔選手(となみ衛星通信テレビ)、女子の土屋正恵選手(弘果)が出場しました。
2026年ミラノ・コルティナ五輪の結果
日本選手
| 選手 | 種目と順位 |
|---|---|
| 馬場直人 | 男子10キロフリー 35位/男子スキーアスロン 34位/男子50キロクラシカル 26位 |
| 廣瀬崚 | 男子10キロフリー 33位/男子スキーアスロン 22位/男子50キロクラシカル 32位 |
| 山崎大翔 | 男子10キロフリー 30位(日本勢最高)/男子スキーアスロン 44位 |
| 土屋正恵 | 女子10キロフリー 26位/女子スキーアスロン 35位/女子50キロクラシカル 23位 |
女子50キロの土屋選手は、2時間34分23秒9でゴールしました。女子が五輪で初めて50キロを走ったレースでした。
クレボが全6種目で金メダル
男子では、ノルウェーのヨハンネスヘスフロト・クレボ選手が、6種目すべてで金メダルを取りました。10キロフリー、スキーアスロン、50キロクラシカル、スプリント、チームスプリント、リレーです。1回の冬季五輪で6個の金メダルを取ったのは、史上初めてです。これまでの大会と合わせた金メダルは11個になりました。50キロクラシカルでは、ノルウェーの選手が1位から3位までを独占しました。
女子はスウェーデンが強さを見せた
女子では、スウェーデンのフリーダ・カールソン選手が10キロフリーとスキーアスロンで金メダルを取りました。同じスウェーデンのエッバ・アンデション選手は、初めての女子50キロで優勝しました。タイムは2時間16分28秒2です。2位に2分以上の差をつける圧勝で、本人にとって初めての五輪金メダルでした。アンデション選手は、10キロフリーとスキーアスロンではどちらも2位でした。
2026-27シーズンの見どころ
ワールドカップは、2026年11月下旬にフィンランドのルカで開幕します。年末年始には、数日の間に何レースも続けて走る「ツール・ド・スキー」が行われます。ここで総合優勝するには、スピードと粘り強さの両方が必要です。
2027年には、スウェーデンのファルンでノルディックスキー世界選手権が開かれます。ファルンは、クロスカントリーが盛んなスウェーデンでも伝統のある会場です。五輪で6冠のクレボ選手がどこまで勝ち続けるか、地元スウェーデンの女子選手がどう迎え撃つかが注目です。
よくある質問
Q. 「スキー距離」と「クロスカントリースキー」は同じものですか。
A. 同じ競技です。日本の報道では「スキー距離」、国際大会の名前では「クロスカントリー」と呼ばれることが多いです。
Q. クラシカルとフリーは、どちらが速いのですか。
A. フリーのほうが速いです。同じ距離なら、フリーのほうが短いタイムでゴールします。
Q. なぜ北欧の国が強いのですか。
A. 北欧では、クロスカントリーが生活に根づいたスポーツだからです。子どものころから雪の上を走る人が多く、競技人口がとても多いです。
Q. レースの途中で板が折れたらどうなりますか。
A. コースの決められた場所で、ほかの板やストックに取りかえることができます。ストックは、レース中に折れることがよくあります。
解説の出典
- Wikipedia Cross-country skiing at the 2026 Winter Olympics
- FIS クロスカントリースキー
- 全日本スキー連盟(SAJ)
- CNN クレボ、金メダル6個 冬季五輪1大会の獲得数で史上最多
- 北海道新聞(共同) クレボ、六つ目「金」に笑顔
- 北海道新聞(共同) アンデション圧勝 スキー距離女子50キロ
- 北海道新聞(共同) 土屋正恵23位、アンデションV
- デイリースポーツ クレボ 男子10キロフリーで今大会3個目
- Wikipedia 2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックの日本選手団
クロスカントリースキーのこれからの大会
| 日程(現地) | 大会 | 開催地 | 案内 |
|---|---|---|---|
| 11月27日(金)〜29日(日) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
ルカ(フィンランド) | 公式の案内 |
| 12月4日(金)〜6日(日) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
トロンハイム(ノルウェー) | 公式の案内 |
| 12月11日(金)〜13日(日) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
ダボス(スイス) | 公式の案内 |
| 1月1日(金)〜3日(日) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
レ・ルス(フランス) | 公式の案内 |
| 1月1日(金)〜10日(日) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
ツール・ド・スキー(各地を転戦) | 公式の案内 |
| 1月5日(火)〜6日(水) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
オーベルストドルフ(ドイツ) | 公式の案内 |
| 1月8日(金)〜10日(日) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
バル・ディ・フィエンメ(イタリア) | 公式の案内 |
| 1月22日(金)〜24日(日) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
エンガディン(スイス) | 公式の案内 |
| 1月29日(金)〜31日(日) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
トブラッハ(ドッビアーコ)(イタリア) | 公式の案内 |
| 2月12日(金)〜14日(日) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
ラハティ(フィンランド) | 公式の案内 |
| 2月24日(水)〜3月8日(月) | FIS クロスカントリースキー 世界選手権 男女 |
ファルン(スウェーデン) | 公式の案内 |
| 3月13日(土)〜14日(日) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
オスロ(ノルウェー) | 公式の案内 |
| 3月16日(火) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
ドランメン(ノルウェー) | 公式の案内 |
| 3月19日(金)〜21日(日) | FIS クロスカントリースキー ワールドカップ 男女 |
ウルリスハムン(スウェーデン) | 公式の案内 |
クロスカントリースキーの最近の結果
| 日付(現地) | 大会 | 上位(表彰台) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 3月22日(日) | FIS クロスカントリースキー W杯 男子 20kmマススタート フリー | 1位 ヨハンネスヘスフロト・クレボ(ノルウェー) 2位 ハラルエストベリ・アムンセン(ノルウェー) 3位 エイナル・ヘーデガート(ノルウェー) |
公式結果 |
| 3月22日(日) | FIS クロスカントリースキー W杯 女子 20kmマススタート フリー | 1位 ヨンナ・スンドリング(スウェーデン) 2位 リン・スバーン(スウェーデン) 3位 ハイディ・ベング(ノルウェー) |
公式結果 |
| 3月21日(土) | FIS クロスカントリースキー W杯 女子 スプリント決勝 フリー | 1位 リン・スバーン(スウェーデン) 2位 ヨンナ・スンドリング(スウェーデン) 3位 マヤ・ダールクビスト(スウェーデン) |
公式結果 |
| 3月21日(土) | FIS クロスカントリースキー W杯 男子 スプリント決勝 フリー | 1位 フェデリコ・ペレグリノ(イタリア) 2位 ラーシュ・ヘッゲン(ノルウェー) 3位 アントン・グラーン(スウェーデン) |
公式結果 |
| 3月20日(金) | FIS クロスカントリースキー W杯 女子 10kmインターバルスタート クラシカル | 1位 リン・スバーン(スウェーデン) 2位 フリーダ・カールソン(スウェーデン) 3位 ハイディ・ベング(ノルウェー) |
公式結果 |
スキー・スノーボードのほかの競技
アルペンスキー・スキージャンプ・ノルディック複合・フリースタイルスキー/フリースキー・スノーボード・山岳スキー(スキーモ)・テレマークスキー・スピードスキー・フリーライド(スキー・スノーボード)・スキー技術選・基礎スキー競技・スキーボブ・スノースクート・パラアルペンスキー・パラクロスカントリースキー・パラスノーボード・スノースケート・スノーモト・モノスキー(一般・立位)・スノーボード技術選・スキーバイク(協会別の形式)・スコール/スクワル
出典
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。