2026年 冬季五輪の競技
スノーボード(英語:Snowboard)は、スキー・スノーボードに分類される冬の競技です。主な種目はパラレル大回転、パラレル回転、大回転・回転、スノーボードクロス、ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエア、レール、バンクドスラローム。試合の形式は個人、クロス団体・混合団体、その他大会別形式があります。
バンクドスラロームの一般大会とパラ競技を区別。フリーライドは別の競技分野SK10へ関連付ける。
スノーボードはどんな競技か
スノーボードは、1枚の板に両足を横向きに乗せて、雪の斜面を滑る競技です。1960年代のアメリカで、サーフィンやスケートボードの感覚を雪の上で楽しむ遊びとして広まりました。いまは国際スキー・スノーボード連盟(FIS)が世界の大会をまとめています。
五輪に初めて入ったのは、1998年の長野大会です。このときはハーフパイプと大回転の2種目でした。その後、2002年ソルトレークシティー大会でパラレル大回転、2006年トリノ大会でスノーボードクロス、2014年ソチ大会でスロープスタイル、2018年平昌大会でビッグエアが加わりました。2022年北京大会では、男女で組む混合団体のスノーボードクロスも始まりました。生まれてから日が浅いのに、種目がどんどん増えてきた競技です。
種目は大きく3つの系統
スノーボードの種目は、技の美しさを見せる「フリースタイル系」、何人かで同時に滑って着順を争う「クロス系」、旗の間を速く滑る「アルペン系」に分かれます。同じスノーボードでも、使う板やブーツ、必要な力がまったく違います。
フリースタイル系(ハーフパイプ・スロープスタイル・ビッグエア)
- ハーフパイプ: 筒を縦に半分に切ったような形のコースです。両側の壁は高さ約7メートルあります。左右の壁を行き来しながら、空中で回転やひねりの技を続けて出します。
- スロープスタイル: 手すりのような「レール」や箱の形の「ボックス」と、いくつかのジャンプ台が並ぶコースを、上から順に技を出しながら滑り降ります。コース全体をどうつなぐかが腕の見せどころです。
- ビッグエア: 大きなジャンプ台を1回跳んで、空中で大技を1つ決めます。数秒で勝負が決まる、いちばん分かりやすい種目です。
クロス系(スノーボードクロス)
4人ほどが同時にスタートし、こぶ、急なカーブ(バンク)、ジャンプが続くコースを滑ります。先にゴールした人が勝ちです。予選のタイムで組分けをして、各組の上位が次の組へ勝ち上がる方式で進みます。混合団体は、男子と女子が1人ずつリレーのようにつないで走ります。
アルペン系(パラレル大回転など)
2人の選手が、横に並んだ赤と青の2つのコースを同時にスタートします。旗門(はたもん)という旗の間を通りながら、どちらが速くゴールするかを競います。予選はタイムで順位をつけ、決勝トーナメントは1対1の勝ち抜き戦です。
順位の決まり方
| 種目 | 決まり方 | 見るところ |
|---|---|---|
| ハーフパイプ | 審判の採点。決勝は何本か滑り、いちばん良い1本の点で順位が決まる | 高さ、技の難しさ、技の流れ |
| スロープスタイル | 審判の採点。決勝のいちばん良い1本で順位が決まる | レールとジャンプの両方の出来 |
| ビッグエア | 審判の採点。決勝は3回跳び、種類の違う技2本の合計で争う | 回転数と着地 |
| スノーボードクロス | 着順 | スタートの速さ、追い抜き |
| パラレル大回転 | タイムと先着 | 旗門ぎりぎりを攻める滑り |
採点の種目では、審判が「技の難しさ」「きれいさと着地」「高さや大きさ」「技の種類の多さ」「つなぎの流れ」などを見て点をつけます。どれだけ難しい技でも、着地で手をついたり転んだりすると点は大きく下がります。逆に、少し易しい技でも完ぺきに決めれば高い点が出ることがあります。
初めて見る人のための観戦ポイント
- 数字は回転の角度: 技の名前に出てくる「1080(テンエイティ)」は、360度の3倍、つまり横に3回転という意味です。「1440」は4回転、「1800」は5回転です。数字が大きいほど難しい技です。
- どちら向きに回るか: 体の正面側に回るか、背中側に回るかで難しさが変わります。ビッグエアでは、同じ技ばかりでは高い評価になりにくく、回り方の違う技を決めることが求められます。
- 板をつかむ「グラブ」: 空中で板のどこをつかむかも技の一部です。長くしっかりつかむほど、見た目が美しいと評価されます。
- ハーフパイプは高さに注目: 壁の上からどれだけ高く飛び出せるかで、迫力も点も変わります。
- クロスは最後まで分からない: 接触や転倒で順位が一気に入れ替わります。ゴールの瞬間まで目が離せません。
用具のちがい
フリースタイル系では、やわらかく扱いやすい板と、足首が動くやわらかめのブーツを使う選手が多いです。アルペン系では、速く安定して曲がるために、細長く硬い板と、スキーのような硬いブーツを使う選手が多くいます。クロス系はその中間で、スピードと安定を両立できる板を選びます。どの種目でも、大会ではヘルメットをかぶって滑ります。雪のない季節は、着地用の大きなエアマットを使った施設などで、新しい技の練習を重ねる選手もいます。
日本のスノーボードの歩み
日本が初めて五輪でメダルを取ったのは、2014年ソチ大会です。男子ハーフパイプで、当時15歳の平野歩夢が銀メダル、平岡卓が銅メダルを取りました。女子パラレル大回転では竹内智香が銀メダルに輝き、アルペン系でも世界と戦えることを示しました。2018年平昌大会では、平野歩夢が男子ハーフパイプで2大会続けて銀メダルを取りました。
2022年北京大会では、平野歩夢が男子ハーフパイプで金メダルを取り、日本のスノーボードで初めての金メダルになりました。女子ハーフパイプでは冨田せなが銅メダル、女子ビッグエアでは村瀬心椛が銅メダルを取っています。
2026年ミラノ・コルティナ五輪の結果(日本選手)
2026年2月の五輪では、イタリア北部のリビーニョでスノーボードが行われました。日本はスノーボードだけで金4、銀2、銅3の合計9個のメダルを取りました。日本選手団全体のメダル24個のうち、3分の1以上をスノーボードが占めたことになります。
| 種目 | 日本選手の成績 |
|---|---|
| 男子ビッグエア | 木村葵来が金、木俣椋真が銀。長谷川帝勝11位、荻原大翔12位 |
| 女子ビッグエア | 村瀬心椛が金。鈴木萌々6位、深田茉莉9位、岩渕麗楽11位 |
| 女子ハーフパイプ | 小野光希が銅。清水さら4位、工藤璃星5位、冨田せな9位 |
| 男子ハーフパイプ | 戸塚優斗が金、山田琉聖が銅。平野流佳4位、平野歩夢7位 |
| 男子スロープスタイル | 長谷川帝勝が銀 |
| 女子スロープスタイル | 深田茉莉が金(87.83点)、村瀬心椛が銅。岩渕麗楽8位 |
| 女子パラレル大回転 | 三木つばき6位 |
男子ビッグエアは大会の序盤に行われ、木村葵来と木俣椋真が金と銀を独占しました。男子ハーフパイプでは、戸塚優斗が北京大会のあとの4年間を経て金メダルをつかみ、19歳の山田琉聖も銅メダルで続きました。村瀬心椛はビッグエアの金とスロープスタイルの銅を合わせ、北京大会の銅と合わせて五輪のメダルが3個になりました。女子スロープスタイルでは、深田茉莉が村瀬心椛を上回って金メダルを取り、日本勢が2人そろって表彰台に上がりました。
2026-27シーズンの見どころ
五輪の翌シーズンは、メダリストが続けて勝てるか、若い選手が一気に出てくるかが注目点です。日本はフリースタイル系の層がとても厚く、国内の代表争いそのものが世界レベルの戦いになっています。
シーズンの大きな山場は、2027年3月6日から21日にオーストリアのモンタフォンで開かれる、スノーボード・フリースタイル・フリースキーの世界選手権です。ハーフパイプは近くのキュータイで行われる予定です。五輪で金メダルを取った選手たちが、世界選手権でも頂点に立てるかを見ておきたいところです。W杯(ワールドカップ)は冬のあいだ欧州・北米・アジアを回り、種目ごとに年間の総合順位も決まります。
よくある質問
スノーボードの大会は、スキーと同じ団体が運営しているのですか?
はい。世界の大会は、スキーと同じ国際スキー・スノーボード連盟(FIS)がまとめています。日本では、五輪やW杯に出る代表の選考を全日本スキー連盟が担当しています。国内には日本スノーボード協会の大会もあります。
ハーフパイプの点数は何点満点ですか?
100点満点で、何人かの審判がつけた点をもとに決まります。90点を超えるのは、難しい技をそろえて完ぺきに決めたときです。
「1080」や「1440」とは何ですか?
空中で回った角度の合計です。1080は3回転、1440は4回転、1800は5回転を表します。
冬以外にも大会はありますか?
北半球が夏の時期には、季節が逆の南半球のニュージーランドなどで大会が開かれることがあります。そのため、トップ選手は1年を通して雪の上で練習し、試合に出ています。
解説の出典
- FIS スノーボード(国際スキー・スノーボード連盟)
- ミラノ・コルティナ五輪が閉幕 日本、最多のメダル24個(秋田魁新報・共同)
- 戸塚優斗が金、日本勢メダル4個 ミラノ・コルティナ五輪第8日(秋田魁新報・共同)
- 2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックの日本選手団(ウィキペディア)
- FIS Ski and Snowboard World Championships Montafon 2027
今季の見どころ: スノーボード2026-27シーズンの日程・日本選手・テレビ放送
スノーボードのこれからの大会
| 日程(現地) | 大会 | 開催地 | 案内 |
|---|---|---|---|
| 11月26日(木)〜28日(土) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
インスブルック(オーストリア) | 公式の案内 |
| 11月28日(土)〜29日(日) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
張家口(雪如意)(中国) | 公式の案内 |
| 12月3日(木)〜5日(土) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
北京(中国) | 公式の案内 |
| 12月5日(土)〜6日(日) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
赤峰(美林谷スキー場)(中国) | 公式の案内 |
| 12月9日(水)〜11日(金) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
崇礼(シークレットガーデン)(中国) | 公式の案内 |
| 12月10日(木)〜13日(日) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
ブリッケンリッジ(米国) | 公式の案内 |
| 12月11日(金)〜13日(日) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
チェルビニア(イタリア) | 公式の案内 |
| 12月12日(土) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
コルティナダンペッツォ(イタリア) | 公式の案内 |
| 12月17日(木) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
カレッツァ(イタリア) | 公式の案内 |
| 12月17日(木)〜19日(土) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
コッパーマウンテン(米国) | 公式の案内 |
| 12月19日(土) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
ダボス(スイス) | 公式の案内 |
| 1月7日(木)〜9日(土) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
クライシュベルク(オーストリア) | 公式の案内 |
| 1月9日(土) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
スクオール(スイス) | 公式の案内 |
| 1月13日(水)〜16日(土) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
ラークス(スイス) | 公式の案内 |
| 1月15日(金)〜17日(日) | FIS スノーボード ワールドカップ 男女 |
崇礼(シークレットガーデン)(中国) | 公式の案内 |
ほかの大会も日程の一覧で見る(全29件)
スノーボードの最近の結果
| 日付(現地) | 大会 | 上位(表彰台) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 3月28日(土) | FIS スノーボード W杯 男子 ハーフパイプ | 1位 戸塚優斗(日本) 2位 バレンティノ・グセリ(オーストラリア) 3位 チェイス・ブラックウェル(米国) |
公式結果 |
| 3月28日(土) | FIS スノーボード W杯 女子 ハーフパイプ | 1位 マディ・マストロ(米国) 2位 マデリン・シャフリック(米国) 3位 ケラルト・カステジェト(スペイン) |
公式結果 |
スキー・スノーボードのほかの競技
アルペンスキー・クロスカントリースキー・スキージャンプ・ノルディック複合・フリースタイルスキー/フリースキー・山岳スキー(スキーモ)・テレマークスキー・スピードスキー・フリーライド(スキー・スノーボード)・スキー技術選・基礎スキー競技・スキーボブ・スノースクート・パラアルペンスキー・パラクロスカントリースキー・パラスノーボード・スノースケート・スノーモト・モノスキー(一般・立位)・スノーボード技術選・スキーバイク(協会別の形式)・スコール/スクワル
出典
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。