ノルディック複合とは?種目・ルールと2026-27シーズンの大会日程・結果

NORDIC COMBINED

ノルディック複合

2026年 冬季五輪の競技

ノルディック複合(英語:Nordic combined)は、スキー・スノーボードに分類される冬の競技です。主な種目は個人、団体、チームスプリント、混合団体。試合の形式はグンダーセン、コンパクト、マススタートがあります。

ジャンプとXCを組み合わせる競技。世界選手権・W杯の女子種目も扱い、五輪の実施範囲に限定しない。

ノルディック複合はどんな競技か

ノルディック複合は、スキージャンプとクロスカントリースキーの2つを1人でこなす競技です。前半にジャンプで飛び、後半にクロスカントリーで走ります。最後に先にゴールした人が勝ちです。日本の報道では「スキー複合」とも呼ばれます。

ジャンプには、こわさに負けない度胸と、空中での細かい技術が必要です。クロスカントリーには、長い距離を走り切る体力が必要です。まったくちがう2つの力を求められるため、優勝者は「キング・オブ・スキー」と呼ばれます。

この競技は、ノルウェーで生まれました。冬季五輪では、第1回の1924年シャモニー大会から行われています。2026年まで、ずっと男子だけの競技でした。

日本とノルディック複合

ノルディック複合は、日本が世界の頂点に立った競技です。1992年のアルベールビル五輪と、1994年のリレハンメル五輪で、日本は団体で2大会続けて金メダルを取りました。荻原健司さんは、ワールドカップで3シーズン続けて総合優勝しました。

その後も、渡部暁斗選手が世界のトップで戦い続けました。五輪では、2014年ソチ大会と2018年平昌大会の個人ノーマルヒルで銀メダル、2022年北京大会の個人ラージヒルと団体で銅メダルを取りました。2017-18シーズンには、ワールドカップの総合優勝も果たしています。

種目とルールのくわしい説明

グンダーセン方式

いまの主な種目は「グンダーセン方式」で行います。まずジャンプを飛びます。ジャンプの点数の差を、クロスカントリーのスタート時間の差に置きかえます。ジャンプで1位の選手が最初にスタートし、ほかの選手は点差に応じて遅れてスタートします。

個人種目では、ジャンプの1点がクロスカントリーの4秒になります。たとえば、トップと15点差なら、1分遅れてスタートします。こうすると、クロスカントリーでは先にゴールした人が、そのまま1位になります。とても分かりやすい仕組みです。

おもな種目

種目 どんな形式か
個人ノーマルヒル ノーマルヒルのジャンプ台で飛び、10キロを走る。
個人ラージヒル 大きいラージヒルのジャンプ台で飛び、10キロを走る。
団体スプリント 2人1組で飛び、2人で交代しながら走る。2026年の五輪では、ラージヒルと2人で7.5キロずつの形式で行われた。
団体 4人1組で飛び、4人でリレーして走る。
混合団体 男女の選手が組んで戦う。世界選手権などで行われる。
マススタート 先に全員でいっせいに走り、そのあとジャンプを飛ぶ。走りのタイムとジャンプの点を合わせて順位を決める。

クロスカントリーは、フリー走法(スケートのように板をけり出す走り方)で走ります。2026年の五輪では、個人ノーマルヒル、個人ラージヒル、団体スプリントの3種目が行われました。

見どころ・観戦のポイント

前半のジャンプで流れが決まる

ジャンプでいい点を取ると、クロスカントリーを前のほうからスタートできます。ジャンプが得意な選手は、ここで大きな貯金を作ります。走りが得意な選手は、少しでも差を小さくしておきたいところです。

後半は追いかけっこ

クロスカントリーは、前を逃げる選手と、後ろから追う選手の追いかけっこです。後ろの選手が集団を作って、協力して追いつく場面もよくあります。テレビでは、トップとの差が秒で表示されます。この差がちぢまっていくかどうかに注目すると、楽しく見られます。

ゴール前のスプリント

集団のままゴール近くまで来ると、最後は短い距離のスプリント勝負になります。写真判定で順位が決まることもあります。

用具と会場

選手は、ジャンプ用とクロスカントリー用で、まったくちがう板と靴を使います。ジャンプの板は長く幅が広いです。クロスカントリーの板は細くて軽いです。1日のうちに、2つの道具を使い分けます。

2026年の五輪では、ジャンプはプレダッツォのジャンプ台、クロスカントリーはテーゼロのコースで行われました。2つの会場は、10キロほど離れています。

2026年ミラノ・コルティナ五輪の結果

日本選手

種目 日本選手の順位
個人ノーマルヒル(2月11日) 渡部暁斗 11位(日本勢最高)/山本涼太 15位/谷地宙 23位
個人ラージヒル(2月17日) 山本涼太 15位(日本勢最高)/渡部暁斗 19位/谷地宙 21位
団体スプリント(2月19日) 日本(渡部暁斗・山本涼太) 6位

個人ノーマルヒルの渡部選手は、前半のジャンプで100メートルちょうどを飛び、11位につけました。クロスカントリーでも順位を落とさずにゴールし、写真判定で11位でした。本人は「これが今の実力かな」と話しました。

団体スプリントには、2025-26シーズンかぎりで引退する渡部選手と山本選手が出ました。2人は先頭の集団に食らいつきました。しかし終盤、山本選手が前で転んだ選手と交錯する不運もあり、6位でした。日本の複合を長く引っぱってきた2人にとって、最後の五輪となりました。

オフテブロが3冠

3種目すべてで金メダルを取ったのは、ノルウェーです。ノルウェーのオフテブロ選手が個人の2種目で優勝し、団体スプリントも勝って3冠を達成しました。団体スプリントの2位はフィンランド、3位はオーストリアでした。

女子と、五輪からの除外

ワールドカップや世界選手権では、女子のレースも行われています。日本の葛西優奈選手は、2025年の世界選手権の女子個人で金メダルを取りました。双子の妹の葛西春香選手も銅メダルでした。2人は札幌市の出身です。

しかし、女子のノルディック複合は、2026年の五輪にも入りませんでした。2026年1月には、女子の選手たちがワールドカップの会場で、ストックを「X」の形に交差させて抗議しました。葛西優奈選手も加わりました。

さらに2026年7月、国際オリンピック委員会(IOC)は、2030年のフランス・アルプス冬季五輪でノルディック複合を行わないと決めました。人気が伸びていないことや、女子の種目がないことが理由とされています。報道によると、IOCが調べた14の人気の指標のうち、ミラノ・コルティナ五輪では11の項目で最下位でした。第1回の五輪から続いてきた競技が、五輪から外れることになります。全日本スキー連盟の河野孝典競技本部長は「残念の一言」と話しました。

2026-27シーズンの見どころ

ワールドカップは、2026年11月下旬にフィンランドのルカで男子が開幕します。12月にはノルウェーのトロンヘイムなどで、男女のレースが行われます。

2027年には、スウェーデンのファルンでノルディックスキー世界選手権が開かれます。五輪から外れることが決まったあと、最初の世界選手権です。渡部選手と山本選手が引退したあとの日本の男子と、世界の頂点を知る葛西姉妹の女子が、どんな戦いを見せるかが注目です。

よくある質問

Q. ジャンプとクロスカントリーは、どちらが大事ですか。
A. どちらも大事です。ジャンプが良くても、走りで抜かれることがあります。走りが強くても、ジャンプで大きく遅れると追いつけません。両方のバランスが勝負を決めます。

Q. どうしてスタートの時間が人によってちがうのですか。
A. ジャンプの点の差を、時間の差に置きかえているからです。こうすると、クロスカントリーで先にゴールした人が1位になり、見ている人にも分かりやすくなります。

Q. 2030年の五輪では、本当に行われないのですか。
A. 2026年7月のIOCの決定で、2030年の大会では行わないことになりました。ワールドカップや世界選手権は、これからも続きます。

解説の出典

今季の見どころ: ノルディック複合2026-27シーズンの日程・日本選手・テレビ放送

ノルディック複合のこれからの大会

日程(現地) 大会 開催地 案内
11月26日(木)〜29日(日) FIS ノルディック複合 ワールドカップ
男子
ルカ(フィンランド) 公式の案内
12月3日(木)〜6日(日) FIS ノルディック複合 ワールドカップ
男女
トロンハイム(ノルウェー) 公式の案内
12月10日(木)〜13日(日) FIS ノルディック複合 ワールドカップ
男女
バル・ディ・フィエンメ(イタリア) 公式の案内
12月17日(木)〜20日(日) FIS ノルディック複合 ワールドカップ
男女
ラムザウ(オーストリア) 公式の案内
1月8日(金)〜10日(日) FIS ノルディック複合 ワールドカップ
男女
クリンゲンタール(ドイツ) 公式の案内
1月14日(木)〜17日(日) FIS ノルディック複合 ワールドカップ
男女
オテパー(エストニア) 公式の案内
1月22日(金)〜24日(日) FIS ノルディック複合 ワールドカップ
男女
ショーナッハ(ドイツ) 公式の案内
1月28日(木)〜31日(日) FIS ノルディック複合 ワールドカップ
男女
ゼーフェルト(オーストリア) 公式の案内
2月4日(木)〜6日(土) FIS ノルディック複合 ワールドカップ
男女
レークプラシッド(米国) 公式の案内
2月11日(木)〜13日(土) FIS ノルディック複合 ワールドカップ
男女
ラハティ(フィンランド) 公式の案内
2月25日(木)〜3月6日(土) FIS ノルディック複合 世界選手権
男女
ファルン(スウェーデン) 公式の案内
3月11日(木)〜13日(土) FIS ノルディック複合 ワールドカップ
男女
オスロ(ノルウェー) 公式の案内

ノルディック複合の最近の結果

日付(現地) 大会 上位(表彰台) 出典
8月23日(日) FIS ノルディック複合 グランプリ 女子 個人コンパクト ラージヒル/5 km 1位 エマ・ボラウシェク(スロベニア)
2位 ナタリー・アームブルスター(ドイツ)
3位 カタリナ・グルーバー(オーストリア)
公式結果
8月23日(日) FIS ノルディック複合 グランプリ 男子 個人コンパクト ラージヒル/7.5 km 1位 マヌエル・ファイスト(ドイツ)
2位 リヒャルト・シュテンツェル(ドイツ)
3位 ダビド・マッハ(ドイツ)
公式結果
8月22日(土) FIS ノルディック複合 グランプリ 女子 個人グンダーセン ラージヒル/5 km 1位 カタリナ・グルーバー(オーストリア)
2位 ナタリー・アームブルスター(ドイツ)
3位 エマ・ボラウシェク(スロベニア)
公式結果
8月22日(土) FIS ノルディック複合 グランプリ 男子 個人グンダーセン ラージヒル/10 km 1位 ファビオ・オーバーマイヤー(オーストリア)
2位 ダビド・マッハ(ドイツ)
3位 リヒャルト・シュテンツェル(ドイツ)
公式結果
8月19日(水) FIS ノルディック複合 グランプリ 女子 個人コンパクト ラージヒル/5 km 1位 イーダマリー・ハーゲン(ノルウェー)
2位 ナタリー・アームブルスター(ドイツ)
3位 エマ・ボラウシェク(スロベニア)
公式結果
8月19日(水) FIS ノルディック複合 グランプリ 男子 個人コンパクト ラージヒル/10 km 1位 シュテファン・レッテンエッガー(オーストリア)
2位 イェンスルロース・オフテブロ(ノルウェー)
3位 ビンツェンツ・ガイガー(ドイツ)
公式結果
8月16日(日) FIS ノルディック複合 グランプリ 女子 個人コンパクト ラージヒル/5 km 1位 エマ・ボラウシェク(スロベニア)
2位 イーダマリー・ハーゲン(ノルウェー)
3位 カタリナ・グルーバー(オーストリア)
公式結果
8月16日(日) FIS ノルディック複合 グランプリ 男子 個人コンパクト ラージヒル/10 km 1位 イェンスルロース・オフテブロ(ノルウェー)
2位 エイナルルロース・オフテブロ(ノルウェー)
3位 シュテファン・レッテンエッガー(オーストリア)
公式結果
8月15日(土) FIS ノルディック複合 グランプリ 男子 個人グンダーセン ラージヒル/10 km 1位 イェンスルロース・オフテブロ(ノルウェー)
2位 エイナルルロース・オフテブロ(ノルウェー)
3位 シュテファン・レッテンエッガー(オーストリア)
公式結果
8月15日(土) FIS ノルディック複合 グランプリ 女子 個人グンダーセン ラージヒル/5 km 1位 イーダマリー・ハーゲン(ノルウェー)
2位 アレクサ・ブラベック(米国)
3位 カタリナ・グルーバー(オーストリア)
公式結果

スキー・スノーボードのほかの競技

アルペンスキー・クロスカントリースキー・スキージャンプ・フリースタイルスキー/フリースキー・スノーボード・山岳スキー(スキーモ)・テレマークスキー・スピードスキー・フリーライド(スキー・スノーボード)・スキー技術選・基礎スキー競技・スキーボブ・スノースクート・パラアルペンスキー・パラクロスカントリースキー・パラスノーボード・スノースケート・スノーモト・モノスキー(一般・立位)・スノーボード技術選・スキーバイク(協会別の形式)・スコール/スクワル

スキー・スノーボードの競技をまとめて見る

出典

競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。

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