2027年のノルディックスキー世界選手権は、スウェーデンのファルンで2月24日から3月7日まで開かれます。クロスカントリー、ジャンプ、ノルディック複合の3競技を、すべてルグネットの会場で行います。ジャンプの小林陵侑や丸山希、複合の葛西優奈・春香の姉妹らが、世界一をねらいます。
日程(開催地の日付)
| 日程(現地) | 競技 | 大会 | 開催地 | 案内 |
|---|---|---|---|---|
| 2月24日(水)〜3月8日(月) | クロスカントリースキー | FIS クロスカントリースキー 世界選手権 男女 |
ファルン(スウェーデン) | 公式の案内 |
| 2月25日(木)〜3月7日(日) | スキージャンプ | FIS スキージャンプ 世界選手権 男女 |
ファルン(スウェーデン) | 公式の案内 |
| 2月25日(木)〜3月6日(土) | ノルディック複合 | FIS ノルディック複合 世界選手権 男女 |
ファルン(スウェーデン) | 公式の案内 |
日程と結果は、競技団体の公式発表から毎日更新しています。
大会のあらまし
ノルディックスキーの世界選手権は、2年に1度、奇数の年に開かれる大会です。2027年は、スウェーデン中部のファルンが舞台です。期間は現地の日付で2月24日から3月7日までの12日間です。
行う競技は、クロスカントリースキー、スキージャンプ、ノルディック複合の3つです。どの種目も、その1回の結果で世界一が決まります。冬のあいだに何度も戦って合計点を競うW杯(ワールドカップ)とは、重みが違います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催地 | スウェーデン中部・ダーラナ地方のファルン |
| 会場 | ルグネット(クロスカントリーの競技場とジャンプ台が並ぶ会場) |
| 期間 | 2027年2月24日〜3月7日(現地の日付) |
| 競技 | クロスカントリースキー、スキージャンプ、ノルディック複合 |
| 主な種目の数 | クロスカントリー12、ジャンプ6、複合7(FISの日程による) |
| 日本との時差 | 8時間(日本のほうが進んでいます) |
| 開催の決定 | 2022年5月25日、イタリア・ミラノのFIS総会。立候補はファルンだけでした |
| ファルンでの開催 | 1954年、1974年、1993年、2015年に続いて5回目 |
運営するのは、ルグネットに本拠を置く地元の運営会社です。大会は環境や地域への配慮を定めた国際規格ISO20121にそって準備が進められています。大会を手伝うボランティアは「ヒーロー」と呼ばれています。
ファルンとルグネットの会場
ファルンは、首都ストックホルムから北西へ進んだところにある街です。ストックホルムのアーランダ国際空港からも行きやすい場所にあります。街は古くから銅の鉱山で栄え、「ファールンの大銅山地域」は世界遺産に登録されています。
会場のルグネットは、街の中心や鉄道の駅から歩いて行ける近さです。クロスカントリーの競技場と、ノーマルヒル・ラージヒルのジャンプ台が1か所にまとまっています。クロスカントリー、ジャンプ、複合の3つを、同じ会場で見られるのが特徴です。
ルグネットでは、毎年のようにW杯が開かれてきました。組織委員会のサイトによると、本番に向けて2025年11月にジャンプのW杯、2026年2月末から3月1日にクロスカントリーのW杯と複合のコンチネンタルカップが組まれました。2028年には、ジュニアとU23の世界選手権もファルンで開く予定です。
3競技まとめた日ごとの予定
FISの日程と組織委員会の予定表をもとに、日ごとの種目を1つの表にまとめました。日付は開催地の日付です。日本時間では、夕方の試合がその日の深夜から翌日の未明になります。ジャンプの個人戦は、同じ日に予選があります。
| 日付(現地) | クロスカントリー | ジャンプ | ノルディック複合 |
|---|---|---|---|
| 2月24日 | 男女 予選(7.5キロ・クラシカル) | — | — |
| 2月25日 | 男女 スプリント(フリー) | 女子 団体ノーマルヒル(組織委員会の予定表のみ) | 女子 個人グンダーセン ノーマルヒル(5キロ) |
| 2月26日 | — | 女子 個人ノーマルヒル | 男女混合 団体 ノーマルヒル |
| 2月27日 | 男子 スキーアスロン(20キロ) | 混合団体 ノーマルヒル | 男子 個人コンパクト ノーマルヒル(7.5キロ) |
| 2月28日 | 女子 スキーアスロン(20キロ) | 男子 個人ノーマルヒル | 女子 団体スプリント ノーマルヒル |
| 3月2日 | 男女 10キロ クラシカル(個人スタート) | — | — |
| 3月3日 | 男女 チームスプリント(クラシカル) | — | 女子 個人コンパクト ラージヒル(5キロ) |
| 3月4日 | 男子 リレー(4×7.5キロ) | 男子 団体ラージヒル | 男子 団体スプリント ラージヒル |
| 3月5日 | 女子 リレー(4×7.5キロ) | 女子 個人ラージヒル | — |
| 3月6日 | 男子 50キロ フリー(マススタート) | 男子 個人ラージヒル | 男子 個人グンダーセン ラージヒル(10キロ) |
| 3月7日 | 女子 50キロ フリー(マススタート) | — | — |
3月1日は、どの競技も試合が組まれていません。ジャンプの女子団体ノーマルヒルは、組織委員会の予定表には2月25日として載っていますが、10月17日時点のFISの日程にはまだ入っていません。
クロスカントリースキーの種目
クロスカントリーは、男女6種目ずつ、合わせて12種目です。2025年の前回大会から、男子と女子が同じ距離を走る形になりました。女子も最終日に50キロを走ります。
- スプリント:約1.4キロの短いコースを、予選のあと勝ち抜き戦で争います。今回はスケーティングで走るフリー走法です。
- スキーアスロン:前半をクラシカル、後半をフリーで走る20キロのレースです。途中でスキーをはき替えます。
- 10キロ クラシカル:1人ずつ時間をずらしてスタートし、タイムを競う個人スタートの種目です。
- チームスプリント:2人1組で、短いコースを交代しながら走ります。今回はクラシカルです。
- リレー:4人が7.5キロずつ走ります。前の2人がクラシカル、後の2人がフリーです。
- 50キロ マススタート:全員がいっせいにスタートする、もっとも長い種目です。大会の最後を飾ります。
2月24日は、本番の種目の前に行う予選のレースです。距離は男女とも7.5キロのクラシカルです。
男子の主役は、ノルウェーのヨハンネス・クレボです。2025年のトロンヘイム大会では、男子の6種目すべてで金メダルを取りました。女子は、地元スウェーデンの選手に注目です。2025年大会では、エッバ・アンデションが10キロ・クラシカルなどで金、フリーダ・カールソンが50キロで金を取りました。スウェーデンは、2025年大会の国別メダル数でノルウェーに次ぐ2位でした。地元の大声援を受けて、どこまで勝てるかが大きな見どころです。
スキージャンプの種目
ジャンプは、ノーマルヒルとラージヒルの2つのジャンプ台を使います。ノーマルヒルは小さめの台、ラージヒルは大きな台です。2015年の大会では、ヒルサイズ100メートルと134メートルの台が使われました。
- 個人戦:男女ともノーマルヒルとラージヒルの2種目です。同じ日の予選を通った選手が本番に進み、1回目の上位30人が2回目を飛びます。飛んだ距離と、空中や着地の姿勢の点数の合計で順位を決めます。
- 混合団体:男女2人ずつ、4人で1つのチームです。ノーマルヒルで行います。
- 男子団体:4人で1つのチームになり、ラージヒルで行います。
- 女子団体:組織委員会の予定表では、2月25日にノーマルヒルで行います。
今季の大きな壁は、スロベニアのプレブツ兄妹です。前のシーズンは、兄のドメン・プレブツが男子のW杯とジャンプ週間で総合優勝しました。妹のニカ・プレブツは、女子のW杯で総合優勝しています。
ノルディック複合の種目
ノルディック複合は、ジャンプとクロスカントリーの2つを1日で行う競技です。先にジャンプを飛び、その点数の差をタイムの差に直して、クロスカントリーのスタートをずらします。いちばん先にゴールした選手が勝ちです。
- 個人グンダーセン:複合のもっとも基本的な形です。女子はノーマルヒルと5キロ、男子はラージヒルと10キロです。
- 個人コンパクト:近年に採り入れられた新しい形式です。男子はノーマルヒルと7.5キロ、女子はラージヒルと5キロで行います。
- 団体スプリント:2人1組で戦います。女子はノーマルヒルで2人×4.5キロ、男子はラージヒルで2人×7.5キロです。
- 男女混合の団体:男女の選手が1つのチームを組みます。ノーマルヒルで行います。
複合は、2030年のフランス・アルプス冬季五輪では行われないことが、2026年7月に決まりました。その決定のあと最初の世界選手権です。選手にとっては、目の前でいちばん大きな舞台になります。五輪には女子の種目がありませんでしたが、世界選手権では女子も個人2種目と団体スプリントで世界一を争います。
ファルンで開かれた過去の大会
ファルンは、ノルディックスキーの世界選手権を何度も開いてきた街です。2027年で5回目になります。
| 年 | 主なできごと |
|---|---|
| 1954年 | ファルンが冬のスポーツの街として知られるきっかけになった大会。初日には5万人という記録的な観客が集まりました |
| 1974年 | ルグネットの会場づくりに大きく役立った大会です |
| 1993年 | 複合で荻原健司が個人と団体の二冠。ジャンプのノーマルヒルでは原田雅彦が優勝しました |
| 2015年 | ジャンプの混合団体で日本が銅メダル。環境に配慮した大会として国際規格の認証も受けました |
1993年は日本にとって特別な大会
1993年2月のファルン大会は、日本のノルディックスキーの歴史に残る大会です。複合では、荻原健司が2月18日の個人で日本人として初めての金メダルを取りました。翌日の団体でも、河野孝典、阿部雅司と組んで優勝しています。荻原はクロスカントリーのアンカーとして、先頭でゴールしました。同じ大会のジャンプでは、原田雅彦がノーマルヒルで金メダルを取りました。
2015年の混合団体の銅メダル
前回のファルン大会は2015年です。ジャンプの混合団体ノーマルヒルで、日本は銅メダルを取りました。メンバーは、高梨沙羅、伊藤有希、竹内択、葛西紀明の4人です。このとき一緒に飛んだ伊藤有希は、2026-27シーズンかぎりで引退すると表明しています。12年ぶりのファルンは、代表に選ばれれば伊藤にとって最後の世界選手権になります。
日本選手の見どころ(ジャンプ)
世界選手権に出る日本代表は、シーズンの途中に全日本スキー連盟(SAJ)が決めます。ここでは、前のシーズンの成績と、この秋までの様子をもとに注目の選手を紹介します。
男子
- 小林陵侑:W杯の総合優勝2回の実力者です。前のシーズンはW杯総合2位でした。世界選手権では、2023年のプラニツァ大会で個人の銀メダル、2025年のトロンヘイム大会でラージヒルの銅メダルを取っています。
- 二階堂蓮:ミラノ・コルティナ五輪で銀1個・銅2個のメダルを取りました。前のシーズンはW杯総合4位です。10月17日の札幌・大倉山の大会でも優勝し、好調を保っています。
- 中村直幹:この夏のグランプリで3勝しました。冬のW杯でも上位に入れれば、代表争いに加わってきます。
- 山本涼太:ノルディック複合の五輪代表から、2026年7月にジャンプへ転向しました。国内の大会で表彰台に立っており、ジャンプでの世界選手権出場をめざします。
男子は団体ラージヒルもあります。小林、二階堂、中村らがそろえば、団体でもメダルをねらえる顔ぶれです。
女子
- 丸山希:前のシーズンはW杯で6勝し、総合2位でした。五輪では女子ノーマルヒルで銅メダルを取っています。ノーマルヒルとラージヒルの両方で、メダルをねらえる選手です。
- 高梨沙羅:W杯で通算60勝を超える日本の第一人者です。2015年のファルン大会の混合団体で、銅メダルを取ったメンバーでもあります。
- 伊藤有希:2026年3月にW杯10勝目を挙げました。今季かぎりでの引退を決めており、最後の世界選手権でのジャンプに注目が集まります。
- 勢藤優花:五輪の代表です。「2027年の世界選手権に出ること」を目標に、現役を続けると決めました。
混合団体は、男女の力をそろえて戦う種目です。男子と女子の両方に世界の上位で戦える選手がいる日本にとって、メダルをねらいやすい種目の1つです。
日本選手の見どころ(ノルディック複合)
今の日本の複合で、世界の頂点にいちばん近いのは女子です。
- 葛西優奈:2025年のトロンヘイム大会で、マススタート方式の個人ノーマルヒルに優勝しました。複合の女子で、日本選手として初めての世界一です。前のシーズンはW杯総合5位でした。
- 葛西春香:優奈の双子の妹です。世界選手権では、2023年と2025年の2大会続けて銅メダルを取りました。
ファルンでは、2025年に優奈が勝ったマススタートの種目はありません。女子は、個人グンダーセン、個人コンパクト、団体スプリントの3種目です。2人1組の団体スプリント(2月28日)は、姉妹がそろって出れば大きなチャンスになります。
男子は、長く日本を引っぱってきた渡部暁斗が2025-26シーズンかぎりで引退し、山本涼太はジャンプに移りました。五輪代表だった谷地宙らを中心に、新しい顔ぶれで世界に挑みます。世界の主役は、五輪で3つの金メダルを取ったノルウェーのイェンスルロース・オフテブロや、前のシーズンのW杯総合優勝のヨハネス・ランパルター(オーストリア)です。女子は、ノルウェーのイーダマリー・ハーゲンが優勝争いの中心です。
日本での放送・配信
10月17日時点で、ファルン大会の日本での放送・配信の予定は発表されていません。
前回の2025年トロンヘイム大会では、NHK BSがジャンプの混合団体ラージヒルや女子個人ノーマルヒルなどを放送しました(録画での放送をふくみます)。W杯は、CS放送のJ SPORTSや、ネット配信のJ SPORTSオンデマンドで中継されることが多い大会です。
スウェーデンと日本の時差は8時間です。現地の夕方に行う試合は、日本ではその日の深夜から翌日の未明になります。現地の昼の試合なら、日本の夜に見られます。結果は、FISの公式サイトですぐに確かめられます。
よくある質問
世界選手権は毎年あるのですか?
いいえ。ノルディックスキーの世界選手権は2年に1度、奇数の年に開かれます。2027年のファルンの次は、2029年です。
3つの競技は同じ会場で行うのですか?
はい。クロスカントリー、ジャンプ、複合のすべてを、ファルンのルグネットで行います。
ノルディック複合は五輪から外れたのに、世界選手権はあるのですか?
あります。外れたのは2030年の冬季五輪の種目です。FISの世界選手権とW杯は続いており、ファルンでは男女合わせて7種目が行われます。
女子のジャンプにもラージヒルはありますか?
あります。女子は2月26日にノーマルヒル、3月5日にラージヒルの個人戦が予定されています。
出典
- FIS ノルディックスキー世界選手権2027 ファルン(クロスカントリー)の日程
- FIS ノルディックスキー世界選手権2027 ファルン(ジャンプ)の日程
- FIS ノルディックスキー世界選手権2027 ファルン(複合)の日程
- Falun2027 大会公式サイト
- Falun2027 FIS Nordic World Ski Championships 2027(予定表)
- Falun2027 History(過去の大会)
- PlanetSKI: 2027年の世界選手権の開催地決定(FIS総会・2022年5月)
- FIS Nordic World Ski Championships 2025(ウィキペディア英語版)
- Ski jumping at the FIS Nordic World Ski Championships 2015(ウィキペディア英語版)
- Olympics.com: Evergreen Kasai holds back time
- web Sportiva 【今日は何の日?】荻原健司が世界選手権で二冠
- web Sportiva 原田雅彦「頭のなかは真っ白になった」
- 北海道新聞 世界選手権複合女子、双子で快挙 葛西優奈選手・春香選手
- SPREAD 世界ジャンプ小林陵侑が銀メダル(2023年)
- 北海道新聞 伊藤有希 引退決断「迷いなかった」
- 北海道新聞 勢藤優花が現役続行「27年世界選手権出る」
- 北海道新聞 二階堂蓮が優勝 女子も丸山希が優勝 UHB杯
- 熊本日日新聞(共同) 複合の山本涼太がジャンプ転向
- スポカレ ノルディックスキー世界選手権2025 混合団体ラージヒルの放送
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。