2026年 冬季五輪の競技
スケルトン(英語:Skeleton)は、そりに分類される冬の競技です。主な種目は男子個人、女子個人、混合団体。試合の形式は個人、団体があります。
クレスタ競走はSL04に関連付ける。パラ・スケルトンを現行の国際定期種目としては未確認。
スケルトンはどんな競技か
スケルトンは、小さな薄いそりに、頭を前にして腹ばいで乗り、氷のコースを滑り降りる競技です。あごは氷から数センチの高さ。速さは時速130kmを超えます。ハンドルもブレーキもなく、肩やひざ、頭のわずかな動きでそりを操ります。
名前は、骨組みだけのような簡素なそりの形が「骸骨(スケルトン)」に見えたことに由来するとされています。発祥はスイスのサンモリッツで、冬季五輪では1928年と1948年、どちらもサンモリッツ大会で行われました。その後は長く五輪から外れていましたが、2002年のソルトレークシティー大会で男女の種目として復活しました。2026年のミラノ・コルティナ大会からは、男女1人ずつで組む混合団体が加わり、3種目になりました。国際競技団体は、ボブスレーと同じ国際ボブスレー・スケルトン連盟(IBSF)です。
種目とルール
| 種目 | 内容 |
|---|---|
| 男子 | 1人ずつ滑る。五輪・世界選手権は4回の合計タイム |
| 女子 | 男子と同じ形式 |
| 混合団体 | 男子1人・女子1人で1チーム。2人が1回ずつ滑り、合計タイムで争う(2026年に五輪の種目になった) |
スタートでは、そりの取っ手を持って30m前後を全力で走り、勢いをつけてから腹ばいに飛び乗ります。靴の裏には、氷をつかむための細かいスパイクが付いています。そりと選手を合わせた重さには上限があり、軽い選手はそりにおもりを付けて調整できます。
順位とタイムの決まり方
五輪と世界選手権の個人種目は、2日間で4回滑った合計タイムで順位が決まります。3回目が終わったところで上位20人に絞られ、4回目に進みます。タイムは100分の1秒まで計ります。4回合計で3分40秒台の勝負でも、メダルの境目は0.1秒ほどしかないことがよくあります。
ワールドカップは、ふつう2回の合計で順位を決め、順位に応じた点数でシーズンの総合優勝を争います。
見どころ・観戦のポイント
スタートダッシュと乗り込み
前かがみで走ってから、そりを崩さずにすっと飛び乗れるかが最初の勝負です。乗り込みでそりが揺れると、最初のカーブまでに差がつきます。
体のわずかな動きで操る
スケルトンには操作する道具がありません。肩を少し下げる、ひざで押す、といった小さな動きでそりの向きを変えます。上手な選手のそりは、カーブからまっすぐな所へ、すーっと吸い込まれるように進みます。壁に当たる「接触」が少ない選手ほど速いと覚えておくと、見ていて分かりやすくなります。
コースを知っているかどうか
コースは会場ごとに形が全く違います。どこでどう体を動かすかを体で覚えている選手ほど有利です。地元のコースで強い選手が多いのも、そりの競技の特徴です。
用具
スケルトンのそりは、金属の骨組みの下に2本の鉄の刃(ランナー)が付いた、とてもシンプルな作りです。前後にはバンパーがあり、選手は左右の取っ手を持って走り、乗ってからはそりに体を密着させます。刃の形や骨組みのしなり方で滑り方が変わるため、各国はそりの開発にも力を入れています。
選手は、空気の抵抗を減らす体にぴったりのスーツと、あご当ての付いたヘルメットを身に付けます。靴は、氷の上を走るための細かいスパイクが付いた専用のものです。
中継の見方
大会の多くはヨーロッパで行われるため、日本では夜から明け方にかけての中継になることがほとんどです。画面には、スタートのタイムと、いくつかの地点の区間タイムが出ます。トップの選手より速いと緑、遅いと赤で表示されることが多く、どこで差がついたかが一目で分かります。
コースと会場
スケルトンは、ボブスレー・リュージュと同じコースを使います。ワールドカップは、ドイツのアルテンベルク、ケーニヒスゼー、ヴィンターベルク、オーストリアのインスブルック、スイスのサンモリッツ、ラトビアのシグルダなどを回ります。
日本のコース「スパイラル」のいま
日本で唯一、そり競技のコースがあるのが長野市の「スパイラル」(長野市ボブスレー・リュージュパーク)です。1998年の長野五輪で、ボブスレーとリュージュの会場になりました。長野市の案内では、コースの総延長は1,700m、標高差は113m、カーブは15か所です。
ただし、氷を張ったコースとしての運営は、2017-18シーズンを最後に休止しています。休止は2017年4月に決まりました。理由は、維持管理費の重い負担です。いまは冬の12月29日から2月末までが休園期間です。
施設には長さ120mのプッシュトレーニング場が残り、夏にはスタートの速さを競う全日本プッシュ選手権が開かれています。コースの道は、ノルディックウォーキングのコース(初心者向け3km・上級者向け5km)としても使われています。氷の上で滑る練習は、海外のコースに行かないとできないのが、日本のそり競技の大きな課題です。
日本の主な選手
2026年のミラノ・コルティナ五輪には、男子の高橋弘篤(エフアシスト)が出場しました。日本は国際連盟の発表で、繰り上がりの形で男子の出場枠を1つ得ました。高橋は41歳で、2大会ぶり3度目の五輪です。この大会を最後に現役を退くと表明し、8位入賞を目標に臨みました。
結果は、4回合計3分51秒63で23位でした。高橋が使ったそりは、長野県駒ケ根市の金属加工の会社が作ったものとして報じられ、小さな会社が日本の選手を支えていることも話題になりました。
2026年ミラノ・コルティナ五輪の結果
会場はコルティナ・スライディングセンター。女子は2月12・13日、男子は2月13・14日、混合団体は2月15日に行われました。
| 種目 | 優勝 | ひとこと |
|---|---|---|
| 男子 | ウェストン(英国) | 合計3分43秒33。前年の世界王者が、五輪で初優勝 |
| 女子 | フロック(オーストリア) | 合計3分49秒02。2位・3位はドイツ勢 |
| 混合団体 | 英国(ウェストンら) | ウェストンは2冠。2位・3位はドイツの2チーム |
| 男子(日本) | 高橋弘篤は23位 | 3度目の五輪で、現役最後のレース |
英国はスケルトンを得意とする国で、この大会でも3種目のうち2種目で金メダルを取りました。ドイツは金こそなかったものの、銀3つ・銅3つと層の厚さを見せました。
2026-27シーズンの見どころ
ワールドカップは11月下旬のドイツ・アルテンベルクで開幕し、インスブルック、コルティナ・ダンペッツォ、ケーニヒスゼー、サンモリッツ、ヴィンターベルク、シグルダと続きます。2027年2月には、ノルウェーのリレハンメルで世界選手権が開かれる予定です。
五輪2冠のウェストンが勝ち続けるのか、ドイツ勢が巻き返すのかが大きな見どころです。日本は、長く代表を支えた高橋が引退し、次の世代を育てる時期に入ります。混合団体ができたことで、男女どちらの選手も強くしなければ団体のメダルは狙えません。日本の若手が国際大会でどこまで経験を積めるかに注目です。
よくある質問
Q. 頭から滑って危なくないのですか?
A. 選手は顔を守るあご当て付きのヘルメットをかぶり、体に合ったスーツを着ます。それでも、とても速い競技なので、決められたコースで十分な練習を積んだ選手だけが出場します。
Q. リュージュとの違いは?
A. スケルトンは頭を前にした腹ばい、リュージュは足を前にしたあおむけで乗ります。スケルトンは走ってスタートし、リュージュは座ったままハンドルを引いてスタートします。
Q. なぜボブスレーと同じ団体が運営しているのですか?
A. どちらもサンモリッツで生まれ、同じコースで、走ってスタートする競技だからです。ワールドカップも同じ週に同じ会場で行われることが多くあります。
解説の出典
- 国際ボブスレー・スケルトン連盟(IBSF)
- 北海道新聞(共同)「高橋弘篤は23位 スケルトン・13日」
- 北海道新聞(共同)「スケルトン高橋『最高の滑りを』 41歳、現役引退レースに闘志」
- ウィキペディア「2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックのスケルトン競技」
- 長野市 ボブスレー・リュージュパーク(スパイラル)
- Number Web(2018年1月23日)スパイラルの休止について
スケルトンのこれからの大会
| 日程(現地) | 大会 | 開催地 | 案内 |
|---|---|---|---|
| 11月27日(金)〜28日(土) | IBSF ボブスレー・スケルトン ワールドカップ 男女 |
アルテンベルク(ドイツ) | 公式の案内 |
| 12月4日(金) | IBSF ボブスレー・スケルトン ワールドカップ 男女 |
インスブルック(オーストリア) | 公式の案内 |
| 12月11日(金) | IBSF ボブスレー・スケルトン ワールドカップ 男女 |
インスブルック(オーストリア) | 公式の案内 |
| 12月18日(金)〜19日(土) | IBSF ボブスレー・スケルトン ワールドカップ 男女 |
コルティナダンペッツォ(イタリア) | 公式の案内 |
| 1月15日(金) | IBSF ボブスレー・スケルトン ワールドカップ 男女 |
ケーニヒスゼー(ドイツ) | 公式の案内 |
| 1月22日(金)〜23日(土) | IBSF ボブスレー・スケルトン ワールドカップ 男女 |
サンモリッツ(ツェレリーナ)(スイス) | 公式の案内 |
| 1月29日(金) | IBSF ボブスレー・スケルトン ワールドカップ 男女 |
ヴィンターベルク(ドイツ) | 公式の案内 |
| 2月5日(金) | IBSF ボブスレー・スケルトン ワールドカップ 男女 |
シグルダ(ラトビア) | 公式の案内 |
| 2月18日(木)〜20日(土) | IBSF ボブスレー・スケルトン 世界選手権 男女 |
リレハンメル(ノルウェー) | 公式の案内 |
スケルトンの最近の結果
| 日付(現地) | 大会 | 上位(表彰台) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 1月16日(金) | IBSF ボブスレー・スケルトン ワールドカップ | 1位 ジャクリーン・プファイファー(ドイツ) 2位 ズザンネ・クレーアー(ドイツ) 3位 キム・メイレマンス(ベルギー) |
公式結果 |
| 1月16日(金) | IBSF ボブスレー・スケルトン ワールドカップ | 1位 マーカス・ワイアット(英国) 2位 クリストファー・グロタイア(ドイツ) 2位 マット・ウェストン(英国) 2位 アクセル・ユンク(ドイツ) |
公式結果 |
そりのほかの競技
ボブスレー・リュージュ・クレスタ競走・パラボブスレー・スポーツローデル・ホルンシュリッテン競走・キックスレッド競走・ショベルレース
出典
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。