2026年 冬季五輪の競技
リュージュ(英語:Luge)は、そりに分類される冬の競技です。主な種目は人工トラック・シングル、人工トラック・ダブルス、自然トラック・シングル、自然トラック・ダブルス。試合の形式はチームリレー、スプリント、混合・チーム形式(規程・大会別)があります。
自然トラックを落とさず収録。男女・人数・トラック種別を属性で管理し、全てを2026五輪採用とは扱わない。
リュージュはどんな競技か
リュージュは、そりにあおむけに寝て、足を前にして氷のコースを滑り降りる競技です。名前はフランス語で「そり」という意味です。速さは時速140kmを超え、そり競技の中でも特に速い競技です。タイムは1000分の1秒まで計る、とても細かい勝負です。
操作には、ふくらはぎでそりの前の部分(クーフェ)を押したり、肩で体重をかけたりします。ハンドルもブレーキもありません。体をできるだけ平らにして空気の抵抗を減らし、わずかな動きで向きを変えます。
冬季五輪では、1964年のインスブルック大会から行われています。2014年のソチ大会でチームリレーが加わり、2026年のミラノ・コルティナ大会では、それまで男女の区別がなかった2人乗りが、男子2人乗りと女子2人乗りに分かれました。国際競技団体は、国際リュージュ連盟(FIL)です。
種目とルール
| 種目 | 内容 |
|---|---|
| 男子1人乗り | 4回の合計タイム(五輪) |
| 女子1人乗り | 4回の合計タイム(五輪)。多くのコースで、男子より少し下のスタート地点から滑る |
| 男子2人乗り | 2人が重なってあおむけに乗る。2回の合計タイム |
| 女子2人乗り | 2026年に五輪の種目になった。2回の合計タイム |
| チームリレー(混合リレー) | 女子1人乗り・男子1人乗り・2人乗りが順に滑ってつなぐ |
スタートは、座ったまま左右の取っ手をつかみ、体を前後に揺らして勢いよく飛び出します。その後、指先に付いたスパイクで氷をかいて加速し、あおむけの姿勢に入ります。そりの刃(ランナー)を温めることは禁止で、スタート前に温度が測られます。体重の軽い選手は、決められた範囲でおもりを身に付けることができます。
チームリレーでは、ゴールした選手がコースの上にある板(タッチパッド)を手でたたくと、次の選手のスタートの扉が開きます。たたき損ねると時間を失うので、ゴールの瞬間も見どころです。
リュージュには、人工の氷のコースで行う競技のほかに、山の道を使う「自然コース(ナチュールバーン)」の競技もあります。自然コースのリュージュは五輪の種目ではなく、別にワールドカップや世界選手権が行われています。
順位とタイムの決まり方
五輪の1人乗りは、2日間で4回滑った合計タイムで順位が決まります。3回目が終わった時点で上位20人だけが、4回目に進めます。2人乗りは1日で2回の合計です。タイムは1000分の1秒まで計るため、4回で3分30秒ほど滑っても、1位と2位の差が0.1秒もないことがあります。
ワールドカップは、ふつう2回の合計で順位を決め、順位に応じた点数でシーズンの総合優勝を争います。1回だけで勝負を決める「スプリント」という種目もあります。
見どころ・観戦のポイント
スタートの「漕ぎ」
スタート直後に、手で氷をかいて加速する部分が勝負の第一歩です。ここでの0.01秒の差が、ゴールではもっと大きな差になります。
体が動かない選手ほど速い
速い選手の滑りは、ほとんど体が動いていないように見えます。小さな力でそりを操り、壁にも当たらず、まっすぐなラインを保っているからです。カーブの出口でそりが跳ねたり壁に当たったりすると、すぐに区間タイムに表れます。
2人乗りの息の合い方
2人乗りは、上に乗る選手(前の選手)が操作し、下の選手がそれを支えて体重の移動を合わせます。2人の動きがぴったり合ったときの速さは見ものです。
コースと会場
リュージュはボブスレー・スケルトンと同じコースを使うことが多く、スタート地点を変えて滑ります。ドイツ・オーストリア・イタリア・ラトビアが強豪で、ドイツのアルテンベルク、オーバーホフ、ヴィンターベルク、ケーニヒスゼー、ラトビアのシグルダなどがワールドカップの常連です。
日本のコース「スパイラル」のいま
日本で唯一、そり競技のコースがあるのが長野市の「スパイラル」(長野市ボブスレー・リュージュパーク)です。1998年の長野五輪で、ボブスレーとリュージュの会場になりました。長野市の案内では、コースの総延長は1,700m、標高差は113m、カーブは15か所です。
ただし、氷を張ったコースとしての運営は、2017-18シーズンを最後に休止しています。休止は2017年4月に決まりました。理由は、維持管理費の重い負担です。いまは冬の12月29日から2月末までが休園期間です。
施設には長さ120mのプッシュトレーニング場が残り、夏にはスタートの速さを競う全日本プッシュ選手権が開かれています。コースの道は、ノルディックウォーキングのコース(初心者向け3km・上級者向け5km)としても使われています。氷の上で滑る練習は、海外のコースに行かないとできないのが、日本のそり競技の大きな課題です。
日本の主な選手
日本の男子1人乗りの第一人者は、小林誠也(中外印刷)です。2022年の北京大会に初めて出場し、2026年のミラノ・コルティナ大会で2大会連続の五輪となりました。
国内に氷のコースがないため、小林は2022年の夏から毎年1〜2か月、ひとりで米国に渡り、米国チームと一緒に練習してきました。米国のレークプラシッドには、夏でも氷の上でスタート練習ができる屋内の施設があります。日本の戸城正貴コーチと米国の指導者のつながりから実現した協力です。
ミラノ・コルティナ大会では、2月8日までの男子1人乗りで、3回の合計2分44秒430の25位となり、上位20人が進む4回目には届きませんでした。それでも、海外で練習を重ねて五輪に出続けていることは、日本のリュージュにとって大きな一歩です。
2026年ミラノ・コルティナ五輪の結果
会場はコルティナ・スライディングセンター。2月7日から12日まで5種目が行われました。地元イタリアが2人乗りの男女で金メダルを取り、現地で大きく報じられました。
| 種目 | 優勝 | ひとこと |
|---|---|---|
| 男子1人乗り | ランゲンハン(ドイツ) | 4回合計3分31秒191。2位オーストリア、3位イタリアの選手 |
| 女子1人乗り | タウビッツ(ドイツ) | 4回合計3分30秒625 |
| 男子2人乗り | イタリアのペア | 2位オーストリアとの差は0.068秒 |
| 女子2人乗り | イタリアのペア | この大会から五輪の種目に |
| チームリレー | ドイツ | 2位オーストリア、3位イタリア |
| 男子1人乗り(日本) | 小林誠也は25位 | 2大会連続の五輪 |
2026-27シーズンの見どころ
ワールドカップは11月下旬のドイツ・ヴィンターベルクで開幕します。12月には韓国の平昌、中国の延慶と、アジアのコースでの大会が続きます。日本との時差が小さいので、中継や配信を見やすい時期です。年が明けるとシグルダ、アルテンベルク、オーバーホフ、コルティナ・ダンペッツォ、フランスのラ・プラーニュを回り、3月のドイツ・ケーニヒスゼーでシーズンを終えます。
五輪で勝ったドイツ・イタリア・オーストリアの3強の争いに加え、新しく五輪の種目になった女子2人乗りに、どの国が力を入れてくるかも見どころです。
よくある質問
Q. スケルトンとの違いは?
A. リュージュはあおむけで足が前、スケルトンは腹ばいで頭が前です。スタートも、リュージュは座ったまま、スケルトンは走って飛び乗ります。
Q. なぜ1000分の1秒まで計るのですか?
A. 選手の差がとても小さく、100分の1秒では同じタイムになることが多いからです。
Q. 2人乗りは男女で組めますか?
A. 五輪では2026年から男子2人乗りと女子2人乗りに分かれました。男女が一緒に滑るのは、チームリレーです。
Q. 日本で体験できる場所はありますか?
A. 長野のスパイラルは氷のコースとしての運営を休止しているため、いまは国内で氷のコースを滑る機会はほとんどありません。
解説の出典
- 国際リュージュ連盟(FIL)
- 秋田魁新報(共同)「リュージュ小林、米国修行で成長 24歳、公式練習で手応え」
- 北海道新聞(共同)「小林誠也は25位 リュージュ・8日」
- web Sportiva(2026年2月14日)イタリアで盛り上がったリュージュ
- ウィキペディア「2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックのリュージュ競技」
- 長野市 ボブスレー・リュージュパーク(スパイラル)
リュージュのこれからの大会
| 日程(現地) | 大会 | 開催地 | 案内 |
|---|---|---|---|
| 11月28日(土)〜29日(日) | リュージュ ワールドカップ 男女 |
ヴィンターベルク(ドイツ) | 公式の案内 |
| 12月12日(土)〜13日(日) | リュージュ ワールドカップ 男女 |
平昌(韓国) | 公式の案内 |
| 12月19日(土)〜20日(日) | アルパインリュージュ ワールドカップ 第1・2戦 男女 |
オプダッハ(ヴィンターライテン)(オーストリア) | 公式の案内 |
| 12月19日(土)〜20日(日) | リュージュ ワールドカップ 男女 |
延慶(中国) | 公式の案内 |
| 1月3日(日)〜4日(月) | アルパインリュージュ ワールドカップ 第3戦 男女 |
ラース(イタリア) | 公式の案内 |
| 1月9日(土)〜10日(日) | リュージュ ワールドカップ 男女 |
シグルダ(ラトビア) | 公式の案内 |
| 1月16日(土)〜17日(日) | アルパインリュージュ ワールドカップ 第4戦 男女 |
ラッチュ(イタリア) | 公式の案内 |
| 1月16日(土)〜17日(日) | リュージュ ワールドカップ 男女 |
アルテンベルク(ドイツ) | 公式の案内 |
| 1月23日(土)〜24日(日) | アルパインリュージュ ワールドカップ 第5戦 男女 |
ドイチュノーフェン(イタリア) | 公式の案内 |
| 1月23日(土)〜24日(日) | リュージュ ワールドカップ 男女 |
オーベルホフ(ドイツ) | 公式の案内 |
| 2月5日(金)〜7日(日) | 第26回 アルパインリュージュ世界選手権 男女 |
インスブルック(オーストリア) | 公式の案内 |
| 2月5日(金)〜7日(日) | 第54回 FILリュージュ世界選手権 男女 |
インスブルック(オーストリア) | 公式の案内 |
| 2月13日(土)〜14日(日) | リュージュ ワールドカップ 男女 |
コルティナ(イタリア) | 公式の案内 |
| 2月20日(土)〜21日(日) | アルパインリュージュ ワールドカップ 第6戦(エリミネーター) 男女 |
ウムハウゼン(オーストリア) | 公式の案内 |
| 2月20日(土)〜21日(日) | リュージュ ワールドカップ 男女 |
ラ・プラーニュ(フランス) | 公式の案内 |
ほかの大会も日程の一覧で見る(全16件)
リュージュの最近の結果
| 日付(現地) | 大会 | 上位(表彰台) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 3月3日(火)〜8日(日) | リュージュ ワールドカップ 男子1人乗り | 1位 フェリックス・ロッホ(ドイツ) 2位 ドミニク・フィシュナラー(イタリア) 3位 ダビド・グライルシャー(オーストリア) |
公式結果 |
| 3月3日(火)〜8日(日) | リュージュ ワールドカップ 女子1人乗り | 1位 メルレ・フレーベル(ドイツ) 2位 ユリア・タウビッツ(ドイツ) 3位 ケンディヤ・アパリョデ(ラトビア) |
公式結果 |
| 3月3日(火)〜8日(日) | リュージュ ワールドカップ 男子2人乗り | 1位 ウォルフガング・キンドル / トーマス・シュトイ(オーストリア) 2位 ユリ・ガット / リッカルド・シェプフ(オーストリア) 3位 フロリアン・ミュラー / トニ・エゲルト(ドイツ) |
公式結果 |
| 3月3日(火)〜8日(日) | リュージュ ワールドカップ 女子2人乗り | 1位 ララミヒャエラ・キップ / セリーナ・エグレ(オーストリア) 2位 ダヤナ・アイトベルガー / マグダレーナ・マチナ(ドイツ) 3位 マルタ・ロベジニエツェ / キティヤ・ボグダノワ(ラトビア) |
公式結果 |
そりのほかの競技
ボブスレー・スケルトン・クレスタ競走・パラボブスレー・スポーツローデル・ホルンシュリッテン競走・キックスレッド競走・ショベルレース
出典
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。