2026年 冬季五輪の競技
スピードスケート(英語:Speed skating)(別の呼び方:スピスケ・長距離スケート・ロングトラック・long track)は、スケートに分類される冬の競技です。主な種目は500m、1000m、1500m、3000m、5000m、10000m、マススタート、チームパシュート、チームスプリント。試合の形式は距離別競技、オールラウンド総合、スプリント総合があります。
全距離を男女共通の五輪種目としない。総合選手権は複数距離の合計方式であり独立競技ではない。
チームスプリント等の新採用・形式変更を追う。
タイムを削る個人種目から、集団の駆け引き、3人の連係まで。レースのかたちで、注目する場所も変わります。
ここに注目して見る
ラップの変化
最初の速さだけでなく、後半までペースを保てるか。周回ごとのタイムを追ってみましょう。
コーナーと交差
個人距離では内外のレーンを交代。コーナーから次の直線へのつながりも見どころです。
種目で視点を変える
個人距離はタイム、団体は連係、マススタートは位置取り。種目ごとの勝ち方を先に確認します。
種目と試合の形式
| 種目 | どんな形式か |
|---|---|
| 短距離:500m・1000m | スタートと加速、速いペースを保つ力を見るタイム競争。 |
| 中長距離 | 1500m、女子3000m・5000m、男子5000m・10000mなど。距離ごとのペース配分に注目。 |
| 団体追い抜き | 3人で滑るチーム競技。最後の選手のフィニッシュがチームの記録になります。 |
| マススタート | 集団で争う形式。中間スプリントと最終フィニッシュに得点があり、位置取りが重要です。 |
| チームスプリント | 3人でスタートし、先頭の選手が周回ごとに離れる3周の種目。2026五輪の採用種目とは分けて扱います。 |
| 混合リレー | 女子1人・男子1人によるロングトラックのリレー形式。ショートトラックの混合リレーとは別です。 |
| 総合:オールラウンド/スプリント | 4レースのタイムを500m基準の得点へ換算して総合成績を争います。単一距離の結果と区別します。 |
目の前の相手より、全体のタイム。
個人距離は通常2人ずつ滑りますが、勝者は全組のタイムを比べて決まります。内外のレーンを交代して距離をそろえ、同じ組で先着しても優勝とは限りません。団体追い抜きや集団形式には別の勝敗・記録の条件があります。
知っておきたい言葉
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 個人距離 | 500mなど距離ごとの種目。全組が終了してから最終順位が決まります。 |
| 団体追い抜きのフィニッシュ | 先頭ではなく3人目の通過でチームのタイムを記録します。 |
| 総合得点 | オールラウンド等では距離の異なるタイムを換算。単純に秒数を足す採点ではありません。 |
| ロングとショート | スピードスケートとショートトラックは別分野。リンクや大会の競技形式を分けて掲載します。 |
よくある質問
Q. マススタートは先着だけ?
A. 標準形式では最終フィニッシュの上位3人の得点が大きく、中間スプリントの得点も順位に関わります。実施大会の規程を確認しましょう。
Q. WCと世界選手権はどう違う?
A. WCは複数の開催地を回るシリーズ。世界選手権は大会の方式に応じて世界タイトルを争います。
Q. 結果のタイムと総合順位は?
A. 距離別のタイムと、オールラウンドの最終総合順位は別の成績です。結果カードに種目名と集計の種類を明記しています。
スピードスケートの歩み
スピードスケートは、氷の上をどれだけ速く滑れるかを競う、冬の競技の中でも古い種目です。国際スケート連盟(ISU)は1892年にできました。冬のスポーツの国際団体としては、とても古い団体です。
オリンピックでは、1924年の第1回冬季大会(フランスのシャモニー)から男子の種目が行われています。女子の種目が正式に加わったのは1960年のスコーバレー大会からです。
1990年代の後半には、かかとの部分で刃が靴から離れる「スラップスケート」が広まりました。氷を長く押せるようになり、記録が一気に伸びました。団体追い抜き(チームパシュート)は2006年トリノ大会から、マススタートは2018年平昌大会から五輪の種目になっています。
日本のスピードスケートの歩み
日本のスピードスケートで初めての五輪メダルは、1984年サラエボ大会の男子500mで北沢欣浩さんが取った銀メダルです。その後、男子500mを中心にメダルが続きました。1998年の長野大会では、清水宏保さんが男子500mで金メダルを取りました。
女子では、1992年アルベールビル大会の1500mで橋本聖子さんが銅メダルを取りました。2018年の平昌大会では、小平奈緒さんが女子500mで金メダル、女子団体追い抜きと高木菜那さんのマススタートでも金メダルを取り、日本の女子が世界の頂点に立った大会になりました。
五輪で日本がスピードスケートのメダルを取った大会と、おもなメダルを表にまとめます。
| 大会 | 日本のおもなメダル |
|---|---|
| 1984年 サラエボ | 北沢欣浩(男子500m・銀) |
| 1988年 カルガリー | 黒岩彰(男子500m・銅) |
| 1992年 アルベールビル | 黒岩敏幸(男子500m・銀)、井上純一(男子500m・銅)、宮部行範(男子1000m・銅)、橋本聖子(女子1500m・銅) |
| 1994年 リレハンメル | 堀井学(男子500m・銅)、山本宏美(女子5000m・銅) |
| 1998年 長野 | 清水宏保(男子500m・金、男子1000m・銅)、岡崎朋美(女子500m・銅) |
| 2002年 ソルトレークシティー | 清水宏保(男子500m・銀) |
| 2010年 バンクーバー | 長島圭一郎(男子500m・銀)、加藤条治(男子500m・銅)、女子団体追い抜き(銀) |
| 2018年 平昌 | 小平奈緒(女子500m・金、1000m・銀)、高木美帆(1500m・銀、1000m・銅)、女子団体追い抜き(金)、高木菜那(マススタート・金) |
| 2022年 北京 | 高木美帆(女子1000m・金、500m・銀、1500m・銀)、女子団体追い抜き(銀)、森重航(男子500m・銅) |
| 2026年 ミラノ・コルティナ | 高木美帆(女子500m・銅、1000m・銅)、女子団体追い抜き(銅) |
2026年ミラノ・コルティナ五輪の結果(日本を中心に)
2026年2月のミラノ・コルティナ五輪で、日本のスピードスケートは銅メダル3個でした。3個とも高木美帆選手がかかわったメダルです。
- 女子1000m:高木美帆選手が1分13秒95で銅メダル。この種目で3大会続けてのメダルです。金はオランダのユタ・レールダム選手で、銀もオランダの選手でした。
- 女子500m:高木美帆選手が37秒27で銅メダル。金と銀はオランダの2人で、銀はレールダム選手でした。
- 女子団体追い抜き:日本(高木美帆、野明花菜、佐藤綾乃。登録メンバーに堀川桃香)は、3位決定戦で米国に勝って銅メダル。これで高木選手の五輪のメダルは通算10個になり、夏と冬を合わせて日本の女子で最多です。
- 女子1500m:高木選手がいちばん金メダルを望んでいた種目でしたが、6位でした。
- 男子500m:新濱立也選手の6位が日本勢の最高でした。北京大会で銅メダルの森重航選手は10位でした。
男子では、米国のジョーダン・ストルツ選手が500mと1000mで金メダルを取りました。国別では、オランダが金5個を含む13個のメダルを取り、強さを見せました。
高木美帆選手の引退
高木美帆選手は、ミラノ・コルティナ五輪のあと、現役を引退すると表明しました。15歳で出た2010年バンクーバー大会から4回の五輪に出て、合計10個のメダルを取りました。1500mの世界記録を持ち、2018年には日本の女子で初めて世界オールラウンド選手権で総合優勝しています。短い距離から長い距離までこなせる、日本の歴史でも特別な選手でした。
2026-27シーズンの見どころ
今季は、日本の女子を長く引っぱってきた高木選手がいない、新しいシーズンです。ミラノ五輪の団体追い抜きで表彰台に立った21歳の野明花菜選手など、若い選手が中心になれるかが大きな見どころです。男子は、新濱立也選手、森重航選手らの短距離勢が、もう一度世界の表彰台をねらいます。
ワールドカップは11月の北京大会で始まり、その次の第2戦は北海道の帯広で開かれます。日本で世界のトップ選手の滑りを見られる、貴重な機会です。シーズンの最後には、2027年2月に北京で世界選手権が予定されています。4年後の2030年五輪(フランス・アルプス)に向けた、最初のシーズンでもあります。
国内のおもなリンク
スピードスケートのリンクは1周400mです。日本の代表的な屋内リンクは次の3か所です。
- 明治北海道十勝オーバル(北海道帯広市):ワールドカップなどの国際大会が開かれる屋内リンク。
- エムウェーブ(長野県長野市):1998年長野五輪のスピードスケート会場。
- YSアリーナ八戸(青森県八戸市):2019年にできた屋内リンク。
屋内のリンクは風や雪の影響を受けにくく、記録が出やすいのが特長です。北海道や長野には屋外のリンクも多く、冬になると子どもたちの練習の場になっています。
よくある質問
Q. 日本でいちばん多く五輪のメダルを取ったスピードスケートの選手は?
A. 高木美帆選手です。2018年、2022年、2026年の3大会で合計10個のメダルを取りました。夏と冬を合わせても、日本の女子で最多です。
Q. スラップスケートとは何ですか?
A. かかとの部分で刃が靴から離れる仕組みのスケートです。氷を押す時間が長くなり、速く滑れます。いまのスピードスケートでは、ほとんどの選手が使っています。
Q. 日本でワールドカップを見られますか?
A. 2026-27シーズンは、第2戦が北海道帯広市の明治北海道十勝オーバルで開かれる予定です。日程はこのページの大会の表で確かめられます。
解説の出典
- Speed skating at the 2026 Winter Olympics(Wikipedia英語版・公式結果の一覧)
- Japan at the 2026 Winter Olympics(Wikipedia英語版)
- 女子団体パシュートは銅メダル 高木美帆は通算10個目のメダル(デイリースポーツ)
- 高木美帆、悔しい銅 ミラノ五輪女子1000m(北海道新聞)
- スピード高木美帆は6位 女子1500m初制覇ならず(北海道新聞・共同)
- 高木、歴代最強の競技人生に幕(秋田魁新報・共同)
- ミラノ・コルティナ五輪が閉幕 日本、最多のメダル24個(秋田魁新報・共同)
今季の見どころ: スピードスケート2026-27シーズンの日程・日本選手・テレビ放送
スピードスケートのこれからの大会
| 日程(現地) | 大会 | 開催地 | 案内 |
|---|---|---|---|
| 11月13日(金)〜15日(日) | ISU スピードスケート ワールドカップ 第1戦 男女 |
北京(中国) | 公式の案内 |
| 11月20日(金)〜22日(日) | ISU スピードスケート ワールドカップ 第2戦 男女 |
帯広(日本) | 公式の案内 |
| 12月4日(金)〜6日(日) | ISU スピードスケート ワールドカップ 第3戦 男女 |
ヘーレンフェーン(オランダ) | 公式の案内 |
| 12月11日(金)〜13日(日) | ISU スピードスケート ワールドカップ 第4戦 男女 |
スタバンゲル(ノルウェー) | 公式の案内 |
| 1月8日(金)〜10日(日) | ISU スピードスケート 欧州選手権 男女 |
ヘーレンフェーン(オランダ) | 公式の案内 |
| 1月29日(金)〜31日(日) | ISU スピードスケート ワールドカップ 第5戦 男女 |
ソルトレークシティー(米国) | 公式の案内 |
| 2月5日(金)〜7日(日) | ISU スピードスケート ワールドカップ 第6戦 男女 |
カルガリー(カナダ) | 公式の案内 |
| 2月25日(木)〜28日(日) | ISU スピードスケート 世界選手権 男女 |
北京(中国) | 公式の案内 |
スピードスケートの最近の結果
| 日付(現地) | 大会 | 上位(表彰台) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 3月8日(日) | 世界オールラウンド選手権 男子総合 | 1位 サンデル・アイトレム(ノルウェー) 2位 メトジェイ・イレク(チェコ) 3位 ウラジーミル・セミルニー(ポーランド) |
— |
| 3月8日(日) | 世界オールラウンド選手権 女子総合 | 1位 ラグネ・ビクルン(ノルウェー) 2位 マライケ・フルーネワウト(オランダ) 3位 高木美帆(日本) |
— |
| 3月8日(日) | ISU スピードスケート 世界選手権 1500m 女子 | 1位 ジョイ・ベーネ(オランダ) 2位 高木美帆(日本) 3位 ラグネ・ビクルン(ノルウェー) |
公式結果 |
| 3月8日(日) | ISU スピードスケート 世界選手権 1500m 男子 | 1位 ジョーダン・ストルツ(米国) 2位 サンデル・アイトレム(ノルウェー) 3位 ペーデル・コングスハウグ(ノルウェー) |
公式結果 |
| 3月8日(日) | ISU スピードスケート 世界選手権 5000m 女子 | 1位 ラグネ・ビクルン(ノルウェー) 2位 マライケ・フルーネワウト(オランダ) 3位 フランチェスカ・ロロブリジーダ(イタリア) |
公式結果 |
| 3月8日(日) | ISU スピードスケート 世界選手権 10000m 男子 | 1位 メトジェイ・イレク(チェコ) 2位 ウラジーミル・セミルニー(ポーランド) 3位 サンデル・アイトレム(ノルウェー) |
公式結果 |
| 3月7日(土) | ISU スピードスケート 世界選手権 500m 女子 | 1位 高木美帆(日本) 2位 アントワネット・ライプマデヨング(オランダ) 3位 ナデジダ・モロゾワ(カザフスタン) |
公式結果 |
| 3月7日(土) | ISU スピードスケート 世界選手権 500m 男子 | 1位 ジョーダン・ストルツ(米国) 2位 ペーデル・コングスハウグ(ノルウェー) 3位 フィンエリアス・ハネベリ(ノルウェー) |
公式結果 |
| 3月7日(土) | ISU スピードスケート 世界選手権 3000m 女子 | 1位 ラグネ・ビクルン(ノルウェー) 2位 マライケ・フルーネワウト(オランダ) 3位 ジョイ・ベーネ(オランダ) |
公式結果 |
| 3月7日(土) | ISU スピードスケート 世界選手権 5000m 男子 | 1位 サンデル・アイトレム(ノルウェー) 2位 ステイン・ファンデブント(オランダ) 3位 ウラジーミル・セミルニー(ポーランド) |
公式結果 |
スケートのほかの競技
ショートトラック・フィギュアスケート・シンクロナイズドスケーティング・マラソンスケート・コルテバーン/スーパースプリント・スホーンライデン・アイスクロス・インクルーシブスケーティング
出典
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。