2026年 冬季五輪の競技
ショートトラック(英語:Short track speed skating)(別の呼び方:ショートトラック・short track)は、スケートに分類される冬の競技です。主な種目は個人500m、個人1000m、個人1500m、女子3000mリレー、男子5000mリレー、混合2000mリレー。試合の形式は個人、リレー、大会別団体形式があります。
過去の3000mスーパーファイナル等を現行の主要種目に混ぜない。SOの短トラック競技は別体系として関連付ける。
どんな競技か
ショートトラックは、正式には「ショートトラックスピードスケート」といいます。アイスホッケーのリンクと同じくらいの広さ(60m×30m)の氷の上に、1周111.12mの小さなコースを作って滑ります。1周400mのスピードスケート(ロングトラック)と比べると、3分の1にも満たない長さです。
いちばんの違いは、何人もの選手がいっしょにスタートして、着順を争うことです。スピードスケートは全員のタイムを比べて順位を決めますが、ショートトラックは基本的に「その組で何着に入ったか」で勝ち上がりが決まります。タイムが遅くても、先にゴールすれば勝ちです。
五輪では、1988年カルガリー大会で公開競技として行われ、1992年アルベールビル大会から正式な種目になりました。いまは国際スケート連盟(ISU)が、ワールドツアー(以前のワールドカップ)や世界選手権を開いています。
種目と距離
五輪では、男女の個人種目が3つずつ、リレーが3つの合計9種目があります。
| 種目 | 周回の数 | ポイント |
|---|---|---|
| 500m | 4周半 | スタートの速さと、最初のコーナーの位置取りでほぼ決まる短い勝負。 |
| 1000m | 9周 | スピードと駆け引きの両方が必要。終盤の追い抜きが見どころ。 |
| 1500m | 13周半 | 序盤はゆっくり進むことも多く、残り数周で一気に動く作戦のレース。 |
| 女子3000mリレー | 27周 | 4人のチーム。交代しながら滑る。 |
| 男子5000mリレー | 45周 | 4人のチーム。長い距離での交代の上手さが勝負。 |
| 混合2000mリレー | 18周 | 男女2人ずつの4人。2022年北京大会から五輪種目。 |
勝ち上がりと反則のしくみ
個人種目は、予選、準々決勝、準決勝、決勝と進みます。1つの組は4〜6人ほどです。各組の上位に入った選手と、組の順位が少し下でもタイムのよい選手が、次のラウンドに進みます。決勝は「決勝A」で順位が決まり、準決勝で敗れた選手は「決勝B」を滑ります。
体がぶつかり合う競技なので、反則の判定がとても大事です。相手を押す、進路をふさぐ、コーナーの目印(ブロック)の内側を滑るといった行為は、審判がビデオで確かめてペナルティー(失格)にします。反則で邪魔をされた選手は、審判の判断で次のラウンドに進める場合があります。これを「アドバンス」と呼びます。
ゴールは、スケートの刃の先がラインを越えた瞬間で決まります。そのため、最後に片足を前に突き出してゴールする選手が多く、写真判定で1000分の1秒の差がつくこともあります。
リレーは、走る人が次の人のお尻を押して交代します。交代はいつでも、何回でもできますが、最後の2周は1人で滑らなければなりません。交代の時に転んだり、ぶつかったりすることも多く、最後まで何が起きるか分かりません。
見どころ・観戦のポイント
- 位置取り:先頭を走ると風を受けて疲れます。後ろについて体力をためるか、前に出て逃げるか。選手の作戦がはっきり見えます。
- 追い抜きの場所:内側から抜くか、外側から大回りで抜くか。抜くのはコーナーの出口や直線が多いので、そこに注目しましょう。
- 最後の2〜3周:1000mや1500mは、終盤に順位が大きく入れかわります。最後まで目を離せません。
- 転倒と判定:転倒があっても、レース後の判定で順位が変わることがあります。結果が出るまで待つのも、この競技の楽しみ方です。
用具と安全対策
選手はヘルメット、手袋、首を守るネックガード、すねあてを着けます。スーツは、鋭い刃で切れにくい素材でできています。刃は長く、左に曲がるコーナーを滑りやすいように、少し左側に寄せて取り付けられています。リンクのまわりには厚いマットが置かれ、壁にぶつかっても大けがをしにくくなっています。
世界の強い国
ショートトラックで長く世界をリードしてきたのは韓国です。五輪でたくさんの金メダルを取り、とくに女子の1500mやリレーで強さを見せてきました。中国、カナダも上位の常連です。最近はオランダが急速に力をつけ、ミラノ・コルティナ五輪では9種目のうち5種目で金メダルを取りました。開催国イタリアも、地元の声援を受けて混合リレーで頂点に立ちました。
強い国の選手は、ワールドツアーで何度も決勝Aに残ります。シーズンを通して同じ選手が勝つことは少なく、毎戦ちがう選手が表彰台に上がるのもこの競技の面白さです。
日本のショートトラックの歩み
日本は、正式種目になった1992年アルベールビル大会で、男子5000mリレーの銅メダルを取りました。1998年の長野大会では、西谷岳文さんが男子500mで金メダル、植松仁さんが同じ種目で銅メダルを取りました。
しかし、その後は五輪のメダルから遠ざかっています。ミラノ・コルティナ五輪では、日本勢は28年ぶりのメダルを目標にして、男子4人、女子5人が出場しました。
2026年ミラノ・コルティナ五輪の結果
会場はミラノのアイスアリーナでした。国別では、オランダが金5個を取ってトップでした。韓国は金2個を取り、混合2000mリレーでは開催国イタリアが初めての金メダルを取りました。
日本勢はメダルに届きませんでした。おもな結果は次のとおりです。
| 種目 | 日本のおもな結果 |
|---|---|
| 男子5000mリレー | 7位(岩佐暖、宮田将吾、渡邊啓太、吉永一貴) |
| 女子3000mリレー | 6位 |
| 混合2000mリレー | 準々決勝で失格 |
| 男子1500m | 渡邊啓太が12位 |
| 男子1000m | 吉永一貴が準々決勝に進み13位 |
| 女子500m | 金井莉佳が準々決勝に進み11位 |
世界との差は小さくありませんが、リレーではどちらも決勝Bまで進みました。若い選手が多く、4年後に向けた経験を積んだ大会でもありました。
2026-27シーズンの見どころ
今季のワールドツアーは、10月のカナダ・バンクーバーで始まります。前半の5戦はカナダ、韓国、中国で開かれ、後半の2戦はポーランドとオランダが会場です。シーズンの最後には、2027年3月に韓国のソウルで世界選手権があります。
日本スケート連盟の選考基準では、前半のワールドツアーの日本代表は、10月3日と4日に長野県南牧村で行われた全日本距離別選手権の結果などで選ばれます。1つの大会に出られるのは男女それぞれ最大5人です。後半の大会と世界選手権は、2027年1月の全日本選手権(同じ会場)の結果も合わせて選ばれます。
五輪のあとのシーズンは、代表の顔ぶれが入れかわりやすい時期です。新しく代表に入った選手が、ワールドツアーで決勝Aに残れるかに注目しましょう。
よくある質問
Q. スピードスケートとは何が違うのですか?
A. コースの長さと勝ち方が違います。スピードスケートは1周400mを2人ずつ滑ってタイムで競い、ショートトラックは1周111.12mを何人もで滑って着順を争います。
Q. なぜ転倒が多いのですか?
A. 小さなコースを大勢で、しかも速いスピードで回るからです。コーナーでは体を大きく傾けるので、少し触れただけでもバランスを崩します。
Q. タイムが遅くても勝てるのですか?
A. はい。組の中で先にゴールすれば勝ち上がれます。ただし、組の順位が同じ選手どうしでは、タイムのよい選手が次のラウンドに進める場合もあります。
Q. 日本の五輪のメダルはいくつですか?
A. 1992年の男子5000mリレーの銅、1998年の男子500mの金と銅の、合わせて3個です。
解説の出典
- 2026/27 ショートトラック国際競技会派遣選手選考基準(日本スケート連盟)
- Short-track speed skating at the 2026 Winter Olympics(Wikipedia英語版・公式結果の一覧)
- Japan at the 2026 Winter Olympics(Wikipedia英語版)
- ショートトラック日本は男子4枠 ミラノ五輪、女子は5枠(北海道新聞)
- 混合リレーはイタリアが初優勝(北海道新聞)
ショートトラックのこれからの大会
| 日程(現地) | 大会 | 開催地 | 案内 |
|---|---|---|---|
| 10月23日(金)〜25日(日) | ISU ショートトラック ワールドツアー 第1戦 男女 |
バンクーバー(カナダ) | 公式の案内 |
| 10月30日(金)〜11月1日(日) | ISU ショートトラック ワールドツアー 第2戦 男女 |
モントリオール(カナダ) | 公式の案内 |
| 11月20日(金)〜22日(日) | ISU ショートトラック ワールドツアー 第3戦 男女 |
ソウル(韓国) | 公式の案内 |
| 11月27日(金)〜29日(日) | ISU ショートトラック ワールドツアー 第4戦 男女 |
上海(中国) | 公式の案内 |
| 12月4日(金)〜6日(日) | ISU ショートトラック ワールドツアー 第5戦 男女 |
北京(中国) | 公式の案内 |
| 1月15日(金)〜17日(日) | ISU ショートトラック 欧州選手権 男女 |
ドレスデン(ドイツ) | 公式の案内 |
| 2月5日(金)〜7日(日) | ISU ショートトラック ワールドツアー 第6戦 男女 |
グダニスク(ポーランド) | 公式の案内 |
| 2月12日(金)〜14日(日) | ISU ショートトラック ワールドツアー 第7戦 男女 |
ティルブルフ(オランダ) | 公式の案内 |
| 3月12日(金)〜14日(日) | ISU ショートトラック 世界選手権 男女 |
ソウル(韓国) | 公式の案内 |
ショートトラックの最近の結果
| 日付(現地) | 大会 | 上位(表彰台) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 3月15日(日) | ISU ショートトラック 世界選手権 男子 1500 m | 1位 イム・ジョンオン(韓国) 2位 トマス・ナダリーニ(イタリア) 3位 ステイン・デスメット(ベルギー) |
公式結果 |
| 3月15日(日) | ISU ショートトラック 世界選手権 女子 1500 m | 1位 キム・ギルリ(韓国) 2位 サンドラ・フェルゼボール(オランダ) 3位 コリン・ストッダード(米国) |
公式結果 |
| 3月15日(日) | ISU ショートトラック 世界選手権 男子 500 m | 1位 スティーブン・デュボワ(カナダ) 2位 イェンス・ファントワウト(オランダ) 3位 フルカン・アカル(トルコ) |
公式結果 |
| 3月15日(日) | ISU ショートトラック 世界選手権 女子 500 m | 1位 サンドラ・フェルゼボール(オランダ) 2位 セルマ・パウツマ(オランダ) 3位 キアラ・ベッティ(イタリア) |
公式結果 |
| 3月15日(日) | ISU ショートトラック 世界選手権 男子 1000 m | 1位 イム・ジョンオン(韓国) 2位 イェンス・ファントワウト(オランダ) 3位 ナイル・トレーシー(英国) |
公式結果 |
| 3月15日(日) | ISU ショートトラック 世界選手権 女子 1000 m | 1位 キム・ギルリ(韓国) 2位 サンドラ・フェルゼボール(オランダ) 3位 エリーザ・コンフォルトラ(イタリア) |
公式結果 |
スケートのほかの競技
スピードスケート・フィギュアスケート・シンクロナイズドスケーティング・マラソンスケート・コルテバーン/スーパースプリント・スホーンライデン・アイスクロス・インクルーシブスケーティング
出典
競技の情報の確認日:2026-10-16・大会の情報の確認日:2026-10-17。日程は開催地の日付です。変更があるため、出かける前・見る前に公式の案内をご確認ください。